【帰国研修員からの報告】アクションプランが国連ハビタット「国際・賢くごみ問題に取り組んでいる町コンテスト」に入賞

目下国際協力活動も世界規模のコロナの影響でなかなか思うように進められないなか、関西でごみ問題に関する研修を受け、帰国したレバノン研修員アティファさんから、嬉しい知らせが届きました。

2020年4月28日

【画像】● 研修員氏名(国名):Ms. SAIFAN Atifa (レバノン)
● 所属先:環境省 大臣顧問
●研修コース:廃棄物管理能力向上(応用、計画・政策編)(B)
● 来日時期:2019年10月21日~11月16日

アクションプラン実現のため様々なチャンネルにアピール

レバノンのごみ問題は2015年「ごみクライシス(最終処分場が閉鎖され行き場を失ったごみが街中にあふれ公衆衛生上の危機と評された)」を経験するなど深刻で、さらに近年はシリア難民の増加が、廃棄物管理を含む行政の衛生サービスにも負担をもたらしています。
そのような状況を改善しようと、アティファさんはレバノン環境省職員として、来日中に作成したアクションプラン(日本で学んだことを自国の問題解決にどう活用するかをまとめた行動計画)に基づき、首都ベイルートの郊外に位置するハズミエ市をパイロット地区として、環境教育やリサイクルを促進しています。

その過程で、計画全体の実施には内外の様々な組織と知見を交換したり相互に支援しあったりすることも有効だという認識から、国連人間居住計画「国際・賢くごみ問題に取り組んでいる町コンテスト(UN-HABITAT,Waste Wise Cities Campaign)」に応募したところ、みごと入賞したとのことです。同コンテストの入賞都市には、UN-HABITATから2年間、技術アドバイスなどの支援が与えられます。

一歩一歩前進~コロナで社会・経済状況が悪化、所属先の業務にも暗い影がさす中でも~

アティファさんのアクションプラン・スライドの表紙

受賞したパイロット地域 ハズミエ市に関するスライド

上記のような創意工夫が実を結んだことで、アティファさんのアクションプランはまた一歩実現に近づきました。しかしながら、レバノンでもコロナの影響による経済・社会情勢の急速な悪化で、当初見込んでいたリソースが投入できなくなってきている、とのこと。
アティファさんが、このような状況下でもあきらめず、関西で研修したことや日本や他の参加国メンバーとの間に培ってきたネットワークも活かしつつ、着実に目標に向かって前進し、成果を上げている姿には励まされます。