「ごみ」を通じて子供たちに感染予防行動を広める~コロナ禍下の小学校で環境教育・コソボ帰国研修員の取組~

2020年3月にも帰国後の活動報告を送ってくれた、2019年度「廃棄物管理能力向上(応用、計画・政策編)Bコース・コソボ研修員ネハト・ボヤジさんから、その後、同国でもコロナ感染が広がる中、ごみ教育を通して、感染を予防する行動を子供たちに広げるユニークな活動を学校で実践したとの報告がありました。

2020年11月30日

コロナ感染拡大下、ごみ教育を通じて子どもたちの感染予防行動を強化

在コソボ日本大使館ウエブサイトによると、11月12日現在、同国全土の感染者数は27,851名、ネハトさんが活動拠点としているコソボ第二の都市プリズレンでも、夜7時以降の外出禁止や、公・私とわずすべて施設の出勤者数を最小限にするなどの措置がとられています。

このような状況のなか、ネハトさんが代表を務める NPO「Environment & Community Development」がJICA バルカン事務所の帰国研修員同窓会支援の一環として、ごみ教育を通じて子供達の感染予防行動を強化する啓発活動を行いました。

感染ごみはどうやって捨てる?布マスクはどうしたら安全に使えるの?野外活動で子供たちを啓発

小学校での、屋外でのごみ教育のようす

小学校での、屋外でのごみ教育のようす

児童生徒に配布したマスク(白黒2種類

イラストを使ったリーフレット

特別支援学校での活動

特別支援学校での活動

啓発アニメーション(再生は以下の外部リンクから)

市内の4か所のパイロット小学校および4か所の特別支援学校の児童生徒、更に教員等を対象に700枚の布マスクを提供し、経済的理由からマスクを買えない児童生徒もいるため喜ばれました。
また、マスクの安全な着用、手入れの仕方、感染予防の観点に立った廃棄方法などを、屋外でソーシャルディスタンスを保ちながら授業をしました。教える感染予防策の内容は政府衛生部門の規則に基づくものですが、子どもたちが理解しやすいよう、アニメやイラストを作成、楽しみながら学んでもらえる工夫をしました。
ちなみに、この活動で作成したアニメは、分かり易さが評判になり、中央テレビ局で1日に2回放送されているとのこと。アルバニア語ですが、以下のリンク(NPO Environment & Community Developmentホームページ)から見られます。

この活動を通じて、同市での感染拡大の勢いが少しでも抑えられることが望まれます。
また、コロナ禍下でいろいろなマイナス面が生じているなか、それを、ごみ問題などを再考してみるためのひとつの機会としてもとらえ、積極的に活動しているネハトさん達の行動力には頭が下がります。日本側研修関係者も、この報告に励まされるとともに、Postコロナ社会における自分達の仕事、環境と安全・安心な生活について改めて考えさせられました。今後もお互い刺激を与えあいつつ、プログラム名でもあるKnowledge Co-creation(知見の共創)を続けていければと感じました。