関西SDGsユースアクション2021「JICA関西ベストグローバリスト賞」決定!

2022年3月28日

SDGsの達成に向けた若者の優れたアイデアやアクションを表彰する「関西SDGsユースアクション」は、JICA関西などが事務局を務める関西SDGsプラットフォームと(公社)2025年日本国際博覧会協会が2019年から実施しています。2021年度はJICA関西から「JICA関西ベストグローバリスト賞」として開発途上国の課題解決や多文化共生に資する作品を表彰しました。受賞された2チームの作品をご紹介します。

「高校生にできる難民支援 ー駅頭募金・難民カルタの取組を通してー」兵庫県立尼崎小田高等学校 2年生 国際探求学科 難民支援班

尼崎小田高等学校 国際探求学科 難民支援班のメンバー

尼崎小田高等学校の校門横に、受賞を祝う横断幕が設置されています。

受賞の思いをお聞きしました。

難民問題を解決するに当たり「受け入れる側」の日本人の意識改革が必要という点に焦点を当て、難民問題を知ってもらうための活動として、誰でも気軽に楽しめる「カルタ」を利用して啓発活動を行うアイデア。既に尼崎市内各所にて「カルタ」を利用した啓発活動を実施しています。日本人の難民に対する意識改革が必要という着眼点、カルタで啓発しようとする発想力、地域を巻き込み行動を実際に起こしている行動力を評価し、日本における難民の理解に向けたアイデアを「多文化共生」へ資するものとして選定されました。(詳しくはこちら→「関連ファイル:難民支援 応募作品」をご覧下さい。)

このアイデアを共に考え実行してきたのは、難民支援班の8人。JICA関西を訪問して難民関連の講義を受講したことが、今回のアイデアのきっかけでした。難民のために自分達に何ができるだろうか、と考え始めてからカルタを思いつくまでの道のりが、とても長く大変だったそうです。募金が集まりにくい、人々の意識が難民に向いていない…。どうしたらいいか分からなくなった時に、皆でよく話し合ったそうです。そして思いついた「カルタ」には、難しい問題を楽しく知ってもらいたいという気持ちが詰まっています。今回の受賞を受けた皆さんの声を紹介します。「嬉しいです!」「みんなのために少しでも難民のことを知ってもらおうと必死に頑張ってきた、そのような活動が認められて、不思議な感じです。」「賞を取ったことで自信がつきました。」「これからもグループで頑張りたいです。」「もっと難民について調べていきたいです。」「もっと活動を広げていきたいです。」今後は、子ども向けのカルタを小学校の課外活動などで実施される予定とのこと。これからの益々の頑張りを応援しています。

「きょうかしょにジェンダーのロゴを!」 大阪桐蔭中学校 2年生 TASKM

大阪桐蔭中学校2年生TASKMの皆さん。取材日は1人が残念ながらお休みでした。

SDGsの指導をされている宮田先生と。

ジェンダーという言葉が一般的に使用されるようになった一方、現在の学校教育の様々な場所にジェンダーに基づく偏見が潜んでいるだけでなく、子どもにその偏見に気づかせる場面が非常に少ない点、また学校で使用される教科書にジェンダーに関する記載のあるものがごくわずかである点に問題意識を持ち、ジェンダーの取り扱いがある教科書だけに認証ロゴを付与するというアイデア。通常中学生が疑問を持ちにくい「教科書」の内容を客観的に評価する姿勢、鋭い着眼点、発想力、また実現した場合の影響力・波及効果などインパクトの大きさを評価し、マイノリティの包摂へ向けた取り組みを「多文化共生」に資するアイデアとして選定されました。(この作品は「グッドアクション*」にノミネートされたため、こちら→「関連リンク:第3回 関西SDGsユースアクション2021 グッドアクション選定作品」から作品詳細に加え発表動画もご覧いただけます。)

このアイデアを考えたのはTASKMチームの5人。学校の授業でSDGsについて勉強した時、ゴール5「ジェンダー平等」について、人々の無意識の偏見が根強いことなどから日本ではジェンダー平等が実現できていないことを知ったのがきっかけでした。それ以降、自分達が日々使用する教科書の中にジェンダーに関する偏見を黙認・助長する内容が含まれているように感じ、違和感を覚えていたとのこと。そして人の価値観を変えるのは教育だ、教育から変えていこう!と、教科書の内容をジェンダー平等にするアイデアを思い付いたそうです。受賞を受けた皆さんの声をご紹介します。「教科書に認定ロゴを付けるのは実際には文科省が関わることなので、実現するには道のりは長いですが、まずは私たち中学生のアイデアが評価されたということが嬉しいです。」「本当に受賞できて意外でした。苦労が報われた達成感を感じています。」「チームメンバーの絆が深まりました。」「受賞は大きな一歩だと思います。ぜひ実現したいです。」将来はグローバルに多方面で活躍したいと、日々の勉強に励むチームの皆さん。これからの活躍が楽しみです。
*「グッドアクション」:関西SDGsユースアクションの本選1次審査を通過し、最終審査対象としてノミネートされた作品