「トライやる・ウィーク」中学生がDRLC職員にインタビューしました!

2022年11月16日

世界各国から来た研修員と交流しました!

神戸市内の中学生4人が、11月7日から11日までの5日間、兵庫県下で行われている、地域に学ぶ中学生・体験活動週間「トライやる・ウィーク」の一環で、JICA関西にて職場体験活動を実施しました。プログラムの一つとして、JICA関西が実施している研修事業を見学し、研修員と交流しました。また、兵庫県とJICA関西が共同事務局を務める国際防災研修センター(DRLC:Disaster Reduction Learning Center)担当者 へのインタビューを通じて、JICAの実施する防災研修や、阪神・淡路大震災の教訓について学びました。

~中学生によるインタビュー内容のご紹介~

インタビューの事前準備

DRLC職員へのインタビュー

中学生の皆さんから、事前に学んだことを踏まえて、DRLC担当者へたくさんの質問がありました。インタビュー内容の一部についてご紹介します。

「日本・神戸の防災における強み、課題は何だと思いますか?」
—神戸に限らず、日本の災害対策の強みは被災経験が生かされていることだと思います。神戸では、阪神・淡路大震災の経
験を基に、行政と地域住民が協力し合って街を再建した事例があります。住宅地に防災公園を造ったことはその一例です。
一方で課題としては、災害に強いまちづくりを実現するために、特にハード面ではインフラの耐震化などの取り組みがなされていますが、優先順位付けや、行政の性質上、実際のアクションまでに時間がかかることがあります。そのため、身近なところから実践できるソフト面での防災対策を日常で心がけることが大事だと思います。神戸市では、小学校で防災教育を取り入れていることが強みです。そのような取組みが、日本だけではなく世界各国に広がること、DRLCとしてそのお手伝いができることを願っています。

「日本と海外での防災への意識の違いはありますか?あるとすれば、違いは何だと思いますか?」
—日本では、災害の経験が多く、大災害を経験したことがない人も学校や地域での防災教育や避難訓練などで防災が根付いていますが、途上国の多くは防災の知見が根付いておらず、災害を経験して初めて防災の重要性を知る状況にあります。日本の防災教育の知見をこれからもっと開発途上国に広めていく必要がありますが、開発途上国には防災以外にも色々な課題があり、難しい局面であることを懸念しています。

「これまでご覧になった中で画期的だと思われる防災への取り組みを教えてください。」
—兵庫県にある「人と防災未来センター」は、日本の防災のフロントランナーだと思います。過去の災害経験を伝えるのみでは時代の流れに逆行するため、同センターでは、展示を通じて人々に災害経験を伝えるだけではなく、防災の研究機関としての役割も持っています。世界各国が必要としている災害に関する知見の収集や、国内の自治体関係者に防災の知見を共有し防災能力の向上につながる活動にも積極的に取り組んでいます。DRLCでは、これまでも同センターと様々な事業で協力を図っていますが、今後も防災に関する情報の普及など、JICAのネットワークを活かした取り組みを進めます。

JICAスタッフの感想

インタビューを通じて、生徒の皆さんが防災に対する考えや意識を強く持っており、防災を身近に考えている様子が印象的でした。これはまさに、兵庫県内で長年培われてきた防災教育の賜物だと感じています。トライやる・ウィーク期間で、実際にDRLCや研修事業の見学を通じて、JICA内に防災の取り組みがあることや、開発途上国の国づくりのために、人材育成の目的で兵庫県をはじめとする日本の防災の知見が役立てられていることを知っていただけたかと思います。
普段、ニュースなどで日本の災害の情報を目にすることがあるかと思いますが、海外でも災害により、多くの被害が発生している現状を知っていただいたと思います。開発途上国では、防災に取り組む予算が少なかったり、他の重要な課題により防災に軸足が乗らないこともしばしばありますが、災害による被害を少しでも減らすためには、防災に取り組んでいくことが重要です。災害から復興した経験を持つ日本は、防災の重要性を開発途上国に訴え続ける役目があると感じています。
DRLCでの学びによって、日本の防災の強みや教訓が何なのか、またそれを開発途上国にはどう広めていくのかといった視点を持つきっかけになっていただければ嬉しく思います。