第4回関西SDGsユースアクション2022「JICA関西ベストグローバリスト賞」決定!

2023年3月23日

SDGsの達成に向けた若者の優れたアイデアやアクションを表彰する「関西SDGsユースアクション」は、JICA関西などが事務局を務める関西SDGsプラットフォームと(公社)2025年日本国際博覧会協会が2019年から実施しています。JICA関西からは「JICA関西ベストグローバリスト賞」として開発途上国の課題解決や多文化共生に資する作品を選出・表彰しています。今回「JICA関西ベストグローバリスト賞」を受賞した四天王寺高等学校を訪問し、受賞者の皆さんにインタビューしました。

「災害と生きる~無知が原因で亡くなる外国人をゼロに~」

図 1 大阪市営地下鉄の駅で掲示されたポスター

受賞作品は、日本は自然災害が多いにも拘わらず、外国人が日本滞在中に自然災害が起こった場合にどのような行動をとるべきかを知る方法が限定的である状況から、知らないことが理由で命を落とす人を減らすことを目指したアイデアです。解決策として、外国人が飛行機で日本に渡航する際に必ず目に入る機内や空港内に、自然災害発生時の対応要領等の情報をQRコードで掲示し、自ずと情報が目に入るように工夫したアイデア・アクションです。受賞者の皆さんは、アイデアだけにとどまらず、既に航空会社や空港運営会社、大阪市役所や区役所、関西空港税関、大阪出入国管理局など関係機関にアイデア実現の協力依頼を行い、大阪市営地下鉄の22駅で実際に掲載が実現しました。将来的には自ら調べようとせずとも「受動的に」有益な情報が得られるような環境を作ることを狙っており、今後インバウンド観光客の増加を見据え、多文化共生社会の改善に資するアイデアです。(詳しくは「関連ファイル 応募作品」)

受賞された皆さんへインタビュー  四天王寺高等学校 2年生 M^2HANS(エム ツー ハンズ)

図 2 校長室での表彰の様子

—皆さんはどのように集まったグループですか。
探究活動の取り組みの中でSDGsについて調べ、自分たちでもSDGs達成のために行動をしたいと思い集まった、同じクラスに所属する仲良し5人組です。またチーム名M^2HANS(エム ツー ハンズ)とは、私たち5人の名前の頭文字を組み合わせたものです。

—このアイデアを考えたきっかけを教えてください。
知り合いの外国人が東日本大震災について知らなかったことがあります。日本で発生した自然災害について知らない外国人は多いのか知りたいと思い、オンラインアンケートを作り、外国人の知り合いに広めてもらい、21人から回答を得ました。その結果、少数ではありますが、日本で自然災害が多いことを知らない人や、自然災害が起きた際にどのように行動したらよいかについて知らない人がいることがわかりました。この状況をどうにか改善したいと思い、考えました。

ー活動において嬉しかったことを教えてください。
私たちがデザインしたポスターを大阪市営地下鉄の22駅で掲載してもらったことです。また、大阪出入国管理局でも掲載いただける予定です。目に見える形に作り上げられたことがとても嬉しいです。

—活動において大変なことはありましたか。
6社の航空会社に連絡をしました。ZIPAIRさんから受けたアドバイスで、情報の責任の所在を明らかにするために、「後ろ楯(公的な後援)が必要」という点をクリアにすることがとても難しかったです。そのために自治体の支援を得るため、自治体への打診を考えましたが、飛行機は都市間を移動するために管轄する自治体の特定が難しいということもわかりました。しかし、大阪市に相談したところ、当初計画していた、飛行機内や空港内ではありませんが、市営地下鉄の駅での掲載をご提案いただけ、実現しました。

—今後の活動予定や、目指していることを教えてください。
ポスターを色々な所で掲載してもらい、また、この活動を支援してくれる公的な機関の支援を得て防災の知識を広く普及していきたいです。そして、外国人の方が「受動的」に防災の情報を得られるようにし、危機管理意識を高めて知らないことが原因で命を落とす人を減らしていきたいです。

これからの益々の皆さんのご活躍が楽しみです!