jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

【実施報告】メキシコでグアテマラ関係機関を対象とした文化遺産保護研修を実施しました!

2025.03.19

グアテマラにおける文化遺産保護の強化に向けて

2025年3月3~6日にかけて、メキシコの国立人類学歴史研究所(INAH)の協力を得て、文化遺産の保存・修復に係る能力強化研修がメキシコシティにて実施されました。

同研修には、グアテマラからティカル国立公園の考古学部門職員、文化・スポーツ省の文化遺産保存・修復に携わる担当者、考古学の関連学部を有する国立サン・カルロス大学やグアテマラ・デル・バジェ大学の学生らが参加し、INAHが有する文化遺産保存・修復、博物館学専門家育成センターにおける講義・視察や、メキシコの文化遺産、博物館訪問を通じて、メキシコ人考古学者や修復専門家らと積極的な意見交換が行われました。

                    グアテマラで文化遺産の保存・修復に携わる多様な機関からの参加者

グアテマラの文化遺産保護の課題

ユネスコの世界複合遺産に登録されているティカル国立公園を始めとして、グアテマラ国内には複数の文化遺産が存在しており、これまでマヤ文明に関連する文化財が数多く発掘されています。
重要な文化財が存在する一方、それらの保存・修復を担う考古学者や修復専門家らは個々人の限定的な知識や経験に頼る形で保護活動を実施しており、同分野に係る体系的な研修体制は確立されていません。
また、将来的に同分野を担う専門人材もグアテマラ国内では不足しているため、保存・修復に係る十分な知識や適切な技法に基づいて文化財保護が実施される体制を整えることが急務となっています。

          倉庫に保管されたままの文化財

         メキシコ人専門家による文化遺産修復の研修

JICAによる観光開発への協力

JICAはグアテマラにおいて、主にティカル国立公園を対象にこれまで様々なプロジェクトを通じて協力を行ってきました。
2012年に無償資金協力によって建設されたティカル国立公園文化遺産保存研究センターは、マヤ文明の文化遺産保存・修復の促進を目的の一つとしており、今次研修に参加したティカル国立公園の考古学部門職員らが同センターを活用して、今後より一層文化遺産の保存・修復に取り組むことが期待されます。
また、これらの文化遺産をグアテマラの観光開発促進のリソースとして戦略的に活用していくことも重要です。

ティカル国立公園文化遺産保存研究センター建設計画 | ODA見える化サイト

文化資源学で取り組むティカルの観光開発

南南・三角協力の促進に向けたパートナーシップ強化

今回の研修は「ティカル国立公園における文化財保存・修復アドバイザー」案件の活動の一環として実施されており、日本メキシコパートナーシップ・プログラムの促進にも寄与するものです。
文化遺産保護の分野においてメキシコが有する知見を活用し、グアテマラの同分野における人材育成、体制整備の強化を図る本協力は、JICAが中南米地域において推進している三角協力のひとつの事例であり、メキシコとの協働を通じて更なる地域協力を展開していくことが期待されます。

メキシコ向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:【途上国との対等なパートナー関係による協働】と【学び合いとソリューションの共創】のコンセプトを基にした中南米での新たな協力関係を目指して | ニュース・広報 - JICA

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ