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JICA副理事長のラオスプロジェクト視察~第27回美弥子所長が聞く~ 

2026.05.26

 4月下旬、JICA宮崎桂副理事長がラオスを訪問し、政府要人との面談、国際協力現場の視察などを行いました。滞在中には、ソーンサイ・シーパンドン首相と面談する機会も得ました。
 ルアンパバーンでは、無償資金協力「教員養成校改善計画」で建設した学校と、そこで活動する協力隊員による算数授業や、技術協力プロジェクト「UXO Lao の組織力強化のための人材育成プロジェクト」を通じて協力しているUXOビジターセンターを視察しました。また、ビエンチャンでは、ラオス日本センター(LJI)25周年記念式典に参加した他、無償資金協力で建設し、現在円借款で拡張予定のチナイモ浄水場の現場、水道公社の管理運営を改善するための「水道事業運営管理能力向上プロジェクト(MaWaSU3)」、そして無償資金協力にて建設中の「チャオ・アヌウォン・スタジアム改築計画」工事現場も視察しました。今回は、皆さんにも現場の雰囲気を伝えたく、写真多めでお送りします。

ソーンサイ・シーパンドン首相との面談

 ソーンサイ・シーパンドン首相から、ラオスと日本の長年にわたる協力関係への高い評価と、国際情勢が不安定となっている中でも協力を継続しているJICAへの感謝が伝えられました。また、3月に承認された第10次国家社会経済開発計画(NSEDP)の重点に沿った協力、そしてLDC卒業に向けた協力の継続に対する期待も示されました。

 これに対し宮崎副理事長からは、継続性を重視しつつ、長年にわたり協力関係を構築したパートナーとして、「人」を中心とした基盤づくりを重視し、関係を一層強化していく旨を伝えました。
 ソーンサイ首相は、2002年度以降実施しているJICA海外協力隊による首相表敬を毎年継続して受け入れており、JICA事業に対する高い理解をいただいています。

ラオス日本センター(LJI)25周年記念式典

 2001年のLJI開設から25年の節目を記念し、式典が開催され、ビジネスや日系企業等で活躍するLJI卒業生、ラオス日本人商工会議所や日系企業関係者が多数参加しました。ポンケオLJI所長による25年の歩みの紹介の後、トンサリット副首相兼教育スポーツ大臣、田坂臨時代理大使、宮崎副理事長から、それぞれ祝辞が送られ、ラオスの国花であるチャンパーの記念植樹も行われました。同センターがラオスのビジネス人材育成機関のパイオニアとして、またラオスと日本両国の相互理解促進の重要な場であることが強調され、結びには今後もラオスと日本の協力の拠点として重要な役割を果たしていくことが確認されました。
 LJIに通う学生や派遣中のJICA海外協力隊員による、よさこいも披露され、華やかな式典となりました。

※参考:ラオス日本センター設立25周年 ――人を育て、つながりを広げ、未来の産業開発へ | ニュース・広報 - JICA

記念の植樹をしました

バーシースークアンを行いました

よさこいが披露されました

ルアンパバーン教員養成校(技術協力+無償資金協力+JICA海外協力隊)

 無償資金協力(2024年10月完工)により整備された教員養成校附属小学校で、JICA海外協力隊の大加弘隊員が小学1年生の図形の授業を行っている様子を視察しました。授業で使用している算数の教科書は、技術協力「初等教育における算数学習改善プロジェクト」を通じて、東京書籍とともに開発されたもので、挿絵がたくさん使われ、わかりやすい内容になっています。

UXOビジターセンター(技術協力+無償資金協力)

 ルアンパバーンUXOビジターセンターでは、ポンパス-ト・スパットン館長からラオスの不発弾対策の現状について説明いただき、過去に無償資金協力で整備した不発弾除去機材を含めて活動の紹介がありました。視察の後、「UXO Laoの組織能力強化のための人材育成プロジェクト」の鷺谷大輔専門家らラオスにおけるJICAの不発弾対策支援についての説明がありました。

※参考:不発弾(UXO)分野へのJICAの協力について ~第17回美弥子所長が聞く~ | 海外での取り組み - JICA

※ルアンパバーンからビエンチャンにラオス中国鉄道で移動、18車輛もの長い列車です。ルアンパバーン鉄道駅にて。

チナイモ浄水場(技術協力+無償資金協力+有償資金協力)

 無償資金協力により施設の拡張、改良等行ってきたチナイモ浄水場にて、技術協力「水道事業運営管理能力向上プロジェクト(MaWaSU3)」の園田圭佑専門家(さいたま市水道局から派遣)、越智龍太専門家(川崎市上下水道局から派遣)から、ラオス水道セクター全体の説明がありました。同浄水場の既存施設や、円借款にて現在拡張工事中(2029年完工予定)の現場も視察しました。

※参考:ラオスの水道分野における協力について~第19回美弥子所長が聞く~ | 海外での取り組み - JICA

チャオ・アヌウォン・スタジアム(技術協力+無償資金協力)

 無償資金協力(2026年10月完工予定)により建設が進められているチャオ・アヌウォン・スタジアムの工事現場を視察、梓設計(コンサルタント)及び安藤ハザマ(コントラクター)から工事の進捗状況等について説明いただきました。完工後は、「みんなのスタジアム」として、インクルーシブな取り組みも含めて活用していく予定です。今後は、同施設の運営企画・維持管理を支援するアドバイザーを派遣し、多くの方に使っていただくことのできるスタジアムを目指します。

※参考:インクルーシブスタジアムの実現に向けて岡田武史元サッカー代表監督に聞く~第22回美弥子所長が聞く~ | 海外での取り組み - JICA

美弥子所長から

 今回、副理事長によるルアンパバーンからビエンチャンを含めた広範な現場視察を通じ、改めて、ラオスで60年にわたる長年の協力の成果とその深化を確認する機会となりました。特に、留学や研修を経て親日派・知日派となっているラオス政府高官から副理事長に対し、これまでのJICA事業に対する高い評価を伝えられる場面が多くありました。一方、ラオス側との意見交換の中で、厳しい経済・財政状況の中、若手人材が国外流出するなど、今後のラオスの開発を担う人材層が脆弱化している面についても浮き彫りになりました。将来の親日派・知日派となる若手人材の育成を含む、中長期的な視点に立った人材育成に取り組む必要がある点は改めて確認できました。ラオスの現状や多様化するASEANの中での位置づけを踏まえ、「ラオスらしい発展」を目指すための方向性、JICAの優位性を改めて検討する契機ともなりました。

 最後に、ソーンサイ首相含め、ラオスの方々から、副理事長のラオス民族衣装シンの姿に、「ラオス文化への尊敬を感じ、とても嬉しい」との言葉が多く寄せられたことも紹介します。

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