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クイキラの高校で広がるパソコン教育 ― 生徒の「できた!」が未来への一歩に

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#9 産業と技術革新の基盤を作ろう
SDGs

2025.10.30

首都ポートモレスビーから車で約2時間。セントラル州リゴ郡クイキラにある中高一貫校で田中隊員が情報教育の支援を行いました。生徒の多くは授業で初めてパソコンに触れる環境にあり、マウスやキーボードの操作から始めて、2年間の活動を通じてWordやExcelの基本操作、簡単な関数や表計算まで習得できるようになりました。

実践を重ね、学ぶ力を育てる
活動開始当初、生徒たちは問題文を読み解く力や、自ら質問して学ぶ姿勢が十分ではありませんでした。そこで田中隊員は、説明中心の授業から実際にパソコンを使う実習型の授業へと切り替え、一人ひとりの理解度に合わせたサポートを行いました。
「考える」「試す」「わからなければ聞く」という学びの姿勢を育むことを重視し、基礎から少しずつ積み上げていく授業を心がけました。

教師とともに広がる変化
2年間の活動を通じて延べ200名以上の生徒が授業に参加しました。はじめは受け身だった生徒たちが、自分から課題に取り組み、互いに教え合うようになった姿は大きな成長でした。
また、現地教員の授業にも変化が見られました。以前は教科書を板書して終える授業が多かったものの、最近では実習を取り入れるなど、より実践的な授業へと発展しています。

地域とともに歩んだ 2 年間
外国人の少ないクイキラの地域で、2年間安全に活動を続けられたのは、地域の人々の支えがあってこそ。田中隊員は「この経験を通して、異なる文化の中で教えることの難しさと楽しさを実感した」と話します。PNGの学校では毎年10月、教師への感謝を伝える「ティーチャーズ・デー(Teachers’ Day)」が行われます。生徒たちは自分たちで催し物を企画し、歌やダンスを披露するなどして先生方へ感謝の気持ちを表します。田中隊員はその日、生徒から手作りの感謝のプレゼントを受け取り、これまでの努力が確かに届いていることを実感しました。

生徒からもらったプレゼント

今後への思い
「協力隊への参加を通じて、人に教えるということが自分に合っていると感じました。日本に帰国後も教育に関わる分野で、この経験を活かしていきたい」と田中隊員は語ります。

「Bonogena」とは、クイキラ周辺の言葉のシナゴロ語でさようならを意味します。

JICAは、今後もこうしたボランティアの取り組みを通じて、地域の人々と共に持続的な人づくり・国づくりを支援していきます。

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