「KAIZEN PROJECT」活動日記vol.10 裸足の現場に安全長靴を ― 労働安全への第一歩
2026.06.29
(写真1)
ミルンベイ州政府工事監督局(以下、当局)に派遣されていますJICA海外協力隊の中西です。ここ任地の工事現場を訪れますと、裸足やサンダルでの作業風景(写真1)も散見され、ヘルメットの着用も稀であります。このことは、「怪我と弁当は自分持ち」とされていた過去の日本も同様でしたが、今ではヘルメットなど個人用防護具の着用義務は一般的となっています。この度、職場の労働安全への意識を高め、労働環境の改善へ取り組んだ活動をお伝えします。
さて、正直なところ、労働安全の意識向上は一番難しい課題と感じていました。職場でワークショップを開催したところで、スタッフが「やらされている」では受け入れられず、長続きはしません。そこで思いついたのが、まず自らが行動で示すため、現場へ臨場する際はヘルメット、スパイク長靴又は安全靴を必ず着用することから始めました(写真2)。任地は暑く、これらが煩わしい気持ちは良く分かります。
(写真2)
そして、着任してから半年が過ぎた本年1月、私が着用しているスパイク長靴を職場の予算で調達できないか、同僚のプロジェクトマネージャーから相談がありました。任地では虫刺されや小さな傷が化膿する「熱帯潰瘍」や「蜂窩織炎」といった感染症の危険があり、当局スタッフへの長靴支給は足元を保護し、職場の労働環境の改善に有効です。任地でも長靴は手に入りますが、スパイクがあって歩きやすく、耐久性があって、しかも爪先が金属で保護されているものは、日本製品(写真3)ならではです。
上記の依頼を受けたところ、任地に調達できる店がなかったため、最終的に日本で調達してパプアニューギニアへ国際発送することに取り組みました。まず、任地に居ながら日本製品を国際発送するには、日本で製品を梱包して発送、通関手続きを代行する業者が必要となります。予算と梱包条件を代行業者と打合せ、EMS国際郵便を利用することとしました。この代行業者の担当者が、偶然にもシリア派遣の元協力隊員の方で、事情を話すと快く相談にのって頂きました。偶然、3月下旬に私が一時帰国した際、依頼した事業者の事務所にお邪魔して内容品と梱包の確認(写真4)、打合せすることができました。
(写真3)
(写真4)
発送から待つこと約一ヶ月半、5月上旬、ついに任地の郵便局から荷物到着の連絡がありました。新品の製品には関税がかかるため窓口で支払い、トラックに乗せて持ち帰りました(写真5)。職場で箱を開けて中身を確認しますと(写真6)、損傷はなく無事に届いており一安心です。ようやく、当局のスタッフへ長靴を手渡すことができました(写真7)
(写真5)
(写真6)
(写真7)
任地では四肢が不自由で後遺症を持つ方が散見されます。その原因は明らかではありませんが、個人用防護具を装備することで労働災害を減らすことはできると考えます。
当局スタッフが日本製の長靴を使用することで(写真8)、労働災害への安全意識が醸成されましたら幸いに存じます。
(写真8)
●関連リンク
・「KAIZEN PROJECT」活動日記vol.9 開通式
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・「KAIZEN PROJECT」活動日記vol.7 -地域の実践と日本の経験の融合-
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