「KAIZEN PROJECT」活動日記vol.9 開通式
2026.06.23
(写真1)
JICA海外協力隊の中西です。この度は、ここミルンベイ州アロタウ郊外(以下、任地)で2026年3月に開催された国道のアヒオマ橋の開通式(写真1)の様子をお伝えして、任地の道路事情や伝統的な文化を紹介したいと思います。
アヒオマ橋はベイリー橋と呼ばれる鋼製のプレキャスト部材から構成されるトラス橋の一種です。第二次世界大戦の折、イギリスの土木技術者のベイリー卿により開発された戦時仮設橋であり、日本でも沖縄戦(写真2)にて連合国軍が使用しています。当時から橋の形状はほぼ同じです。
ベイリー橋は縦1.5m横3.0mの亜鉛メッキの鋼製枠を標準パネルとし、これらパネルをつなげた主桁に横桁を架設、さらに鋼板を床版として設置します。施工時に大型クレーンの必要がなく、発展途上国では永久橋として採用されており、ここ任地でも数多く見られます。この度のアヒオマ橋(写真3)は橋長L=36m、大型トレーラが通行可能な二連枠組みが採用されています。
(写真2)
(写真3)
開通式には資金を支援したオーストラリア政府の関係者、地元地方政府の首長、議会やコミュニティの関係者、施工業者、州政府の行政組織管理者、そして当局マネージャーが来賓として式典に招待されていました(写真4)。
式典では地元コミュニティによる伝統舞踊(写真5)が披露されました。「クンドゥ」と呼ばれる木彫りの太鼓のリズムに合わせて、手に槍を持ってフェイスペイントをした踊り手が躍る様は、戦士が獲物を狩るシーンが想像されます。この槍と「クンドゥ」は図柄としてパプアニューギニアの国章にも採用されています。
(写真4)
(写真5)
続いて、教会牧師による交通安全の祈願、来賓によるテープカット、そして、橋の渡り初め(写真6)にて式典は終わります。
式典中に橋台付近を確認しますと既設の橋台(写真7)が確認され、新たに建設されたものではないことが判ります。同僚に理由を尋ねると老朽化による架け替えとのことでした。
ここミルンベイ州の道路は海岸線に近く、飛来した塩分と熱帯の気候により、鋼材劣化が著しい地域です。この橋の架け替えの資金にはオーストラリア政府の支援が活用されており、国道事務所においても架け替えが財政的に簡単ではないことが窺えます。
(写真6)
(写真7)
この度の開通式を通して、現状の橋を良く維持管理して、長く使うことの必要を改めて感じました。公共施設の長寿命化への活動について、今後とも当局の同僚とともに続けて行きたいと思います。
【引用資料 】
1) 沖縄県公文書館所蔵「写真が語る沖縄」,破壊された日本の橋跡に(米軍)工兵隊によって建てられた大きなベーリー橋(1945); https://www2.archives.pref.okinawa.jp/opa/searchpics.aspx
●関連リンク
・ECO-SHEP PNGプロジェクトの第1回JCCの開催
・「KAIZEN PROJECT」活動日記vol.7 -地域の実践と日本の経験の融合-
・新国連常駐調整官によるJICAパプアニューギニア事務所表敬訪問について
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