現地の小学生約400名が楽しみながら環境問題を学ぶ―世界環境デーにSPOGOMI大会を開催 -
2026.08.03
6月5日の世界環境デーに合わせ、ミルンベイ州アロタウ市でSPOGOMI(スポゴミ)大会が開催されました。このイベントは、アロタウ市役所で環境教育隊員として活動するJICA海外協力隊の松本向生隊員が中心となって企画したもので、アロタウ小学校、コエアブル小学校、ゴイラナイ小学校の児童約400名が参加しました。当日は保護者や教職員も加わり、総勢約500名が集まる大規模なイベントとなりました。
授業で学んだことを実践する機会に
アロタウ市では、ごみのポイ捨てが大きな課題となっています。地域住民が環境問題をより身近なものとして捉え、ごみが環境に与える影響や適切な処理方法について理解を深めることが求められています。
松本隊員は、市内の小学校で環境教育の授業を継続的に実施しており、「どのようなごみが環境を汚染するのか」「なぜごみの分別が必要なのか」について子どもたちに伝えてきました。
今回のSPOGOMI大会は、そうした学びを実際の行動につなげることを目的に実施されました。また、ごみ拾いをスポーツとして楽しめることを、生徒や教員、地域住民に知ってもらうことも大きな狙いでした。
1
時間で約
370kg
のごみを回収
SPOGOMIは、チームごとに制限時間内にごみを拾い、回収したごみの種類や量によって得点を競う日本発祥のスポーツです。
今回の大会では、「分解可能なごみ」「プラスチックごみ」「リサイクルごみ」「たばこの吸い殻」「その他のごみ」の5種類に分別しながら競技を行いました。特に、環境への影響が大きいたばこの吸い殻には高いポイントが設定されており、参加者はどのごみを優先して集めるかを考えながら競技に挑みました。
その結果、わずか1時間で約370kgものごみを回収。大量のごみが集められた光景は、参加者にとって地域の環境問題を改めて考える機会となりました。
勝敗を分けた「吸い殻作戦」
大会で特に印象的だったのは、子どもたちがSPOGOMIのルールを理解し、戦略的に取り組んでいたことです。アロタウ小学校のチームは、高得点となるたばこの吸い殻を重点的に集める作戦を立てました。子どもたちはチームで協力しながら効率的に吸い殻を回収し、見事総合優勝を果たしました。
単にごみを拾うだけでなく、「どのごみを集めれば高得点になるか」を考えながら行動する姿からは、スポーツとしての面白さと環境学習の両立がうかがえました。
地域全体を巻き込んだ環境イベントに
当日は、アロタウ市長をはじめ、保健局関係者や現地メディアも来場し、多くの地域住民が見学しました。
松本隊員によると、配属先の同僚であるテクニカルマネージャーは、「学校だけでなく、地域住民も自由に参加・見学できるパブリックイベントとして実施できたことは大きな成果だった」と手応えを語っています。昨年度にJICAの廃棄物管理に関する本邦研修に参加した同マネージャーは、今回のイベントでも企画段階から積極的に関わり、現地メディアや行政関係者の招待を提案するなど、地域全体を巻き込む取組を後押ししました。その結果、SPOGOMI大会は学校の枠を超え、多くの地域住民が参加・見学する地域ぐるみのイベントとなりました。
学校関係者からも、「子どもたちがとても楽しそうに参加していた」と好意的な声が寄せられました。大会終了後には、アロタウ市長から「今後は地域住民を対象としたSPOGOMI大会も開催したい」との提案があったそうです。学校を中心に実施された今回の取組は、多くの関係者や地域住民を巻き込みながら、環境問題への関心を高める機会となりました。SPOGOMIを通じた環境教育の輪が、今後さらに地域全体へ広がっていくことが期待されます。
学びを行動へ
今回のSPOGOMI大会は、子どもたちが教室で学んだ環境問題について、SPOGOMIを通して学び直す貴重な機会となりました。また、市役所、学校、保護者、地域住民が一体となって取り組んだことで、環境問題を地域全体で考えるきっかけにもなりました。
松本隊員は、今後も環境教育を通じて、子どもたちや地域住民の環境意識向上に取り組んでいきます。
今回のSPOGOMI大会で生まれた学びや関心が、地域の環境改善につながることが期待されます。
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