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「世界難民の日」~難民居住区で女子サッカーイベントを開催!~難民との連帯~

#5 ジェンダー平等を実現しよう
SDGs
#16 平和と公正をすべての人に
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2024.07.01

アフリカで最も難民を受け入れているウガンダ。難民とホストコミュニティ、そしてJICAといった協力機関の連帯力がいま求められています。
JICAウガンダは、スポーツという切り口から連帯の糸口を見つけます。
"スポーツの力が照らした光は、難民居住区でどのように輝き続けるのか。"

Solidarity with refugees~難民との連帯~

「世界難民の日」(6月20日)を記念し、2024年6月15日、JICAウガンダ事務所(JICAウガンダ)はウガンダ首相府難民局、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、ウガンダサッカープレミアリーグ所属のソルティーロ・ブライトスターズ(ソルティーロ)の協力の下、アゴジョ難民居住区で難民とホストコミュニティを対象とした「女子サッカーイベント」を開催しました。JICAウガンダでは、2022年から継続的に難民居住区でのサッカーイベントを開催してきましたが、本居住区での開催は今回が初めてとなりました。ウガンダはコンゴ民主共和国(DRC)や南スーダンなど周辺国から168万人(2024年5月現在)もの難民を受け入れており、アゴジョ難民居住区のあるアジュマ二県には、主に南スーダンからの難民が20万人以上居住しています。
今年の「世界難民の日」のテーマは「Solidarity with refugees(難民との連帯)」。難民の受け入れ数が増え、滞在が長期化している今、難民とホストコミュニティの平和的共存には、難民、ホストコミュニティ、協力機関等の連帯力が必要不可欠です。本イベントは、そのテーマに沿って、スポーツを通じ居住区内のコミュニティの結束力を高め、女性のエンパワーメントを促進し、将来への可能性を広げるきっかけとなることを目的として実施されました。

閉会式後の集合写真

スポーツの力が生む、積極的な交流

当日は、難民とホストコミュニティ約50名(主に16歳から19歳)の女性がイベントに参加しました。それに加え、指導法を学びたいと7名のコーチも集まり、サッカーへの関心の高さが伺えました。午前中はソルティーロ主導によるサッカー教室が行われました。ここでは、考え抜かれた練習メニューということもあり、参加者は効率的かつ平等にサッカーボールに触れることができました。また、各グループに2人ずつのコーチが配置され、プロサッカー選手からの細かな指導を一人一人が受けることができていた様子で、選手たちも満足した表情でした。今日知り合ったばかりの参加者同士でコミュニケーションを取る場面も多く、初めは少し硬かった表情も、徐々に笑顔に変わっていき、同じフィールドでひたむきにボールを追いかける中で、難民とホストコミュニティが自然と仲良くなっていく様子が見受けられました。
午後は参加者による交流試合が行われ、仲間とともにゴールネットを目指す真剣な眼差しに、観戦者からは応援の声が上がり、フェンス越しで観戦に夢中になる地元民もいました。試合の中では、得点した時にはチームメイトとハイタッチをし、満面の笑みで喜びを分かち合う、試合に負けた時は、本当に悔しそうな顔で、お互い肩をたたきながら慰め合う、そんな姿から、難民とホストコミュニティ、双方の連帯力が高まる様子を垣間見ることができました。

関連リンク:
JICAとSOLTILO Bright Stars FCがパートナーシップ協定を締結 -サッカーを通じたウガンダの社会課題解決およびSDGsの達成を目指して協働-(2021年10月11日)

開会の言葉で、集まった選手たちに激励の言葉をかける難民福祉評議会(RWC)代表者。

ソルティーロからコーチ陣の紹介

ソルティーロによるサッカー教室スタート!ウォームアップする選手たち!

コーチ達からのアドバイスに真剣な眼差しを送る選手たち!

基礎練習①

基礎練習②

練習試合で、仲間とゴールを目指します!

ゲームの後は、臨時監督を務めたソルティーロのコーチからフィードバックをもらいました。

TICAD CUPが女の子たちのモチベーションに!

閉会式では、ソルティーロのコーチ達によって15名の選手が選抜されました。この15名には、公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WE League)所属の「ちふれエルフェン埼玉」から寄贈されたユニフォームが手渡されました。そして、8月にJICAウガンダ等で共催予定の女子サッカートーナメント「TICAD CUP」※1にアゴジョ難民居住区の代表チームとして参加します。本イベントは、難民とホストコミュニティの相互理解の促進、女性のエンパワーメント、選抜選手の発表中は、ドキドキを隠せない様子で下を向いて自分の名前が呼ばれるのを待つ子たちもいました。残念ながら名前が呼ばれなかった選手も、選抜された仲間に大きな拍手を送る姿があり、スポーツの教育的要素を再認識できました。
参加者からは、「JICAが継続的に難民居住区でサッカーイベントをすることで、女の子たちの可能性を引き出している。居住区外で開催されるサッカー大会(TICAD CUP)に出場できることは、大きな変化をもたらすことが期待され、とても感謝している」との声が上がりました。
今年で3回目となるTICAD CUPは、女の子たちがサッカーを続ける1つのモチベーションとしても大きな存在になっています。

※1TICAD CUP:JICAウガンダを中心に、ソルティーロ・ブライトスターズ、ウガンダサッカー連盟(FUFA)、UNHCR等と協力し、2022年より開催しているトーナメント形式の女子サッカー大会。①難民とホストコミュニティの相互理解・連帯の促進、②女性のエンパワーメントの促進、③TICAD(アフリカ開発会議)の取組み及びJICA事業の認知度向上等を目的として開催。ウガンダ国内より選抜された6チーム(16~19歳の女子総勢約100名)が参加し優勝を競う。そのうち3チームは、難民とホストコミュニティの混成チームから成る。

TICAD CUPに参加する選抜メンバー発表後、WEリーグ所属、ちふれASエルフェン埼玉のユニフォーム寄贈のセレモニー。

選抜選手とコーチ(ソルティーロ)の集合写真練習!

関連リンク:
「女子サッカー×平和構築」-サッカーが秘める可能性-TICAD CUP 2022(女子サッカートーナメント戦)開催
「国際女性デー」に向けて難民居住区で女子サッカーイベントを開催!~サッカーがきっかけで変わる人生~ | 海外での取り組み - JICA
「世界難民の日」に向けて女子サッカーイベント開催!~難民と共に描く希望~ | 海外での取り組み - JICA
女子サッカーがつなぐ、ウガンダと日本の絆

スポーツが照らした希望の光

今回のイベントには、同じアジュマニ県にあるパギリニャ難民居住区の難民サッカー協会の会長が会場に足を運んでくれました。パギリニャ難民居住区は、2022年にJICA支援の下サッカーイベントを開催した居住区で、TICADCUPにも二度参加しました。開会式では会長から以下の言葉が述べられました。「スポーツを通して私たちは多くのことを学ぶことができる。スポーツは、人と人の結束をより強くする。去年のTICAD CUP初戦で、私たちのチームは、2対11で大敗を喫しました。それでも、同大会での最初のゴールは、私たちの選手から生まれました。これは決して簡単なことではありません。そして、そこでゴールを決めた選手を含む2人の選手が奨学生として無償で学校に通うチャンスをつかみました。今日のサッカー教室では、コーチ達の話をよく聞いて、君たちの才能を高めてください。」これを聞いた参加者からは、自然と拍手が沸き上がり、表情がぐっと明るくなったのを感じました。
スポーツを通して、難民居住区で希望の光が灯された瞬間でした。

パギリニャ難民居住区の難民サッカー協会会長からアドバイスを聞く選手

関連リンク:
~サッカーが開く未来への扉~TICAD CUP2023(女子サッカートーナメント戦)を開催しました!
アジュマニ県パギリニヤ難民居住区でのサッカー教室

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