【集大成】インターン主催オンラインイベントを開催しました!

2022年3月30日

「好きな服を着たまま、世界は守れる?」
JICA東京インターン主催オンラインイベントが3月15日(火)に開催されました!
14名の高校生・大学生が参加し、「本当の持続可能性」について一緒に考えました。

誰しもが毎日着る「服」を切り口に、自己の豊かさと社会課題との葛藤や複雑さについて議論できました。
どのような議論が繰り広げられたのか、そして私たちインターンが得た気づきや学びもレポートします!

インターンシップで感じた豊かさと葛藤を多くの人に     

【画像】8月のまだまだ暑い日。私たちJICA東京インターン三名の活動が始まりました。それぞれインターンシップに対する目的や目標は違うけれど、「持続可能な社会の実現」という同じ大きなゴールを持った私たちは、今日までの8か月間で多くのことを経験し、インターン同士やJICA東京主催 教員のためのSDGs研修参加者の先生方と、意見を交換することができました。 先生方の答えのない問いを生徒に投げかけ、持続可能な社会の実現に向けて主体的な学びを促す授業を見学し、モヤモヤや葛藤を肌で感じました。
それらのインターンシップ業務を通して私たちが得た気づきは、「持続可能な社会の実現という理想と現実の葛藤」と「違う視点を持った人が集まることで議論が深まり、葛藤を乗り越え、新たな世界が見える豊かさ」です。この2点をより多くの人に感じてほしいという思いからこのイベントが企画されました。

好きな服を着たまま、世界を守れる?~葛藤と協働~

今回のテーマは自己表現ツールの一つでもある「服」。
誰もが毎日着る服は、どんな人によって作られ、どんな問題をはらんでいるのか。そしてその問題を解決するために私たちができることは何か。問題解決のために自分の豊かさを制限することは持続可能なのか。そんなたくさんの疑問や葛藤と向き合います。
今回は、教員のためのSDGs研修で紹介され、参加者の先生方が授業で活用されていた、「知識構成型ジグソー法」という学習方法を用いて議論を深めていきました。
ジグソー法とは、与えられた問いやお題について、様々な視点から捉えていく方法です。
今回は、「持続可能な服」について、「環境」「社会」「経済」の3つの視点から議論を深めていきました。

まずは、環境、社会、経済の3つのグループに分かれて洋服の製造がそれぞれに与える影響について議論する、エキスパート活動です。年齢も専門も、興味分野もバラバラの4~5人が集まって良い影響と悪い影響を出し合い、「○○を守る服とは?」(○○にはそれぞれ、環境、社会、経済が入る)という問いについて自分の意見を固めていきます。
私が参加した「社会」のグループでは、人への影響の視点から服について考えました。劣悪な労働環境やアイデンティティの表現としての民族衣装、制服のジェンダー問題など、様々な問題が挙げられました。これらの問題について学校で学んだことや調べてきたこと、知っていることを共有します。時間がない中でも相手の意見を尊重しながら、活発に議論が行われ、「人を守る服とは?」の最適解を模索していきました。

エキスパート活動が終わったら、「環境」「社会」「経済」それぞれのエキスパートが一人ずつ入ったグループになり、3つの視点を踏まえて「持続可能な服とは?」について考えます。
サステナブルファッションの具体例を探す中で、売っている服という視点だけでなく、今ある服を大切にする、という意味で古着や家族のお下がりの服という意見もあり、参加者は、議論を通して自分になかった考えや気づきを得て、他者と協働する面白さを感じている様子が見られました。

最後はサステナブルファッションの問題を取り上げた映画の一部を視聴しました。
実際に働いている人たちの声や労働環境を見ることで、なにか感じるものがあったのではないでしょうか。

持続可能な社会の担い手を育てるために 開発教育の可能性

イベントを終えて、参加者からたくさんの気づきや感想をいただきました。

【画像】「知らないことがたくさんある中で、まず私にできることはこのようなイベントに参加して知っていくことなのかな。」
「ファッション業界の問題は難しく、自分がアクションに移すことに難しさを感じていたが、イベントを通して自分にできることから行動に移そうと思えた。」
「今日学んだことを自分も発信していきたい。」

開発教育の面白さを感じ、社会問題を自分ごととして捉え、次のアクションに移したいと思ってくれた様子を伺うことができ、社会課題解決における開発教育の可能性を実感しています。

そして、参加者だけでなく、私たちインターンもこのイベントを通して参加者から多くのことを学ぶことができました。
議論の中での参加者の意見や気づきはもちろん、予定調和ではなく、参加者の主体的な学びを育むための発問の内容や投げかけ方、時間配分や雰囲気作りなど・・・。自分達がゼロからイベントを企画・運営してみることで、参加者と一緒にイベントを作り上げていくことの難しさを実感したと同時に、改めて授業実践の見学をさせていただいた先生方の凄さを感じました。

社会問題解決において、経済成長や自己の豊かさとの葛藤、自分も考えもしなかった固定概念など、たくさんの困難があり、社会を変えるにはやはり時間がかかります。
しかし、その社会を作っている要素は「人」であり、私たち人間です。
時代も場所も越えて全ての生き物が生きやすい社会になるように、持続可能な社会の実現に向けて私たちの挑戦は続いていきます。その一つのアクションとして、今回のイベントが少しでも社会に影響を与えていたら嬉しいです。

最後に、インターンの活動を応援してくださった皆さん、イベントに参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました!


市民参加協力第一課インターン 土戸友理香