「タイ王国レムチャバン市下水道インフラ維持管理支援プロジェクト」ミニッツ締結

2021年6月30日

コロナ禍にありながら、タイ側のレムチャバン市とオンライン署名式が実現しました

署名式:
左:埼玉県下水道局 海老原 正明 下水道局長
中央:埼玉県下水道局 今成 貞昭 下水道事業管理者
右:JICA東京 田中 泉 所長

 6月25日(金)埼玉県下水道局とタイ王国レムチャバン市は、草の根技術協力事業「タイ王国レムチャバン市下水道インフラ維持管理支援プロジェクト」覚書に署名しました。オンライン署名式には、日本側の代表である埼玉県下水道局から下水道事業管理者の今成氏とJICA東京から田中所長が、タイ側からはレムチャバン市長(ジンダ・タノムロッド氏)がプロジェクトの代表者として、覚書に署名を行いました。
 通常であれば、プロジェクトの対象地域であるレムチャバン市で署名式は行われるところです。残念ながら、今回は新型コロナウイルス感染が拡大しており、署名式を行うことは厳しい状況にありました。しかし、埼玉県下水道局の皆様がタイ側とスケジュールを調整し、オンラインにより日本語とタイ語の通訳を介して署名式を実現することが可能になりました。これは、一重に埼玉県下水道局とレムチャバン市がこれまでに構築してきた深い信頼関係によるものです。

本プロジェクトの背景と概要について 

 埼玉県の流域下水道は、国内の下水道事業15%シェアで全国一位を誇り、これまでにタイ王国で2件の草の根技術協力事業を実施してきました。フェーズ3となる本プロジェクトは、これまでプロジェクト成果を活用して実施されます。
 本プロジェクトの背景は、レムチャバン市下水道システムの機能不全により、未処理の下水が公共用水域に放流され、水質汚濁を引き起こしていることから、適切な維持管理により機能を確保するとともに、継続的に実施するため職員の能力を向上させる必要があることを、2020年2月に現地調査で埼玉県下水道局とレムチャバン市が確認し、草の根技術協力事業の提案書をJICA東京に提出しました。本案件は2020年度に採択され、今後3年間でプロジェクトを実施することが予定されています。
 プロジェクトの期待される成果は、「①下水道管路網の流下機能が改善される。」「②下水処理場がより効率的に運営される。」「③レムチャバン市の下水道広報計画書が作成され、試行される。」であり、プロジェクト終了時点で達成を目指す、プロジェクト目標は「レムチャバン市の下水道維持管理能力が向上する」です。
 本プロジェクトは、将来的にレムチャバン市の未処理汚水を減少し水環境を改善するSDGs6.3にも貢献します!

埼玉県 大野知事を表敬訪問し覚書締結を報告 

埼玉県大野知事(中央)プロジェクト覚書署名式の報告及び、今後の協力に関する意見交換

埼玉県庁知事執務室にて集合写真

 署名式後、埼玉県の大野知事を表敬訪問し、プロジェクトの覚書締結を報告しました。更に、埼玉県とJICAの協力について意見交換を行いました。