JP-MIRAIのベトナム人対象能力開発研修を実施!

JICA東京では、7月末~9月末までの2か月間、新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったり、帰国ができなかったりした在留ベトナム人を対象とするJP-MIRAIの「技能実習及び就労系の在留資格を有するベトナム人等向け能力開発研修」を行いました。

2021年10月5日

外国人も働きやすい社会を目指して

 JICAは、日本で働く外国人のよりよい労働/生活環境づくりを目指して、昨年11月に複数の民間企業、業界団体等と共に「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)」(※1)を設立しました。そのJP-MIRAIが、今年7月26日(月)から約8週間にわたり「技能実習及び就労系の在留資格を有するベトナム人等向け能力開発研修」をJICA東京にて行いました。

【画像】 本研修では、今後産業人材として日本そしてベトナムで活躍することが期待される在留ベトナム人計24名を対象に、日本語研修をはじめ日本の歴史や文化を学ぶ日本理解プログラム、日本で働く上で必要な技術研修、キャリアセミナー等幅広いプログラムが提供されました。
 また研修にあたっては、NPO法人日越ともいき支援会(※2)に、参加者の推薦、参加ベトナム人の生活指導をはじめ多岐にわたりご協力いただきました。同会の他、在日ベトナム仏教信者会からの推薦者も参加しました。

語学も職業技術も学ぶ盛りだくさんの一日

日本語教師と会話の練習行っている様子

 「おはようございます!先生、よろしくお願いします!」
 参加者が起立をして、元気に挨拶をする朝。研修プログラムは日本語教師による日本語学習から始まります。日本で生活し、働くことを想定した授業が毎日行われました。最初は思わずベトナム語が口に出てしまう参加者でしたが、研修後半には「すみません」、「質問があります」など日本語が自然と口に出るようになりました。 

模擬面接を行っている様子

正しい窓拭きを習う様子

 日本語研修を終えた午後は技術研修の時間です。JP-MIRAI会員の企業団体や専門講師をお招きし、日本での働き方や企業文化、キャリア形成に関する講義や体験型ワークショップを行いました。ビルメンテナンス業務を希望している参加者の特別講師を務めていただいたのは、日ごろJICA東京を綺麗に、そして安全に管理してくださっている清掃スタッフの皆さんです。道具の種類から扱い方、窓拭きやトイレ掃除などそれぞれのシチュエーション毎にJICA東京施設を実際に使った体験型実習が行われました。
 また、研修期間中にはベトナムで日本語教師やPCインストラクターとして2年間活動してきたJICA海外協力隊経験者の皆さんも駆けつけ、彼らが「外国人」としてベトナムで感じたこと、日本との文化や習慣の違いについて等、身近な体験を共有していただきました。

研修の学びを糧にそれぞれのステージへ 

【画像】 研修終盤には、日本語研修の締めくくりとして参加者によるスピーチ大会が行われました。
「単語をたくさん覚えることができました」、「研修で学んだことを忘れずにこれからも頑張ります」等、思い思いの気持ちを習った日本語で一生懸命に話そうとする姿に思わず涙する人もいて、会場からは大きな拍手とエールが送られました。
 本研修は、参加者一人ひとりにとって、日本での今後の就業やベトナム帰国後のキャリアについてあらためて見つめ直す時間となりました。JICAはJP-MIRAIとともに、これからも外国人も働きやすい社会の実現を目指して幅広い事業に取り組んでまいります。

JICA東京・市民参加協力第一課 佐谷孝行