「地域の魅力創出×SDGsプロジェクト」ぐんま国際アカデミーでは

群馬の3つの高校の有志が参加し、SDGsをテーマに地元の魅力発信や課題解決を目指す「地域の魅力創出×SDGsプロジェクト」。ぐんま国際アカデミーの皆さんの思いをレポートします。

2022年8月10日

JICA東京主催・教員のためのSDGs研修に参加した天海先生のご紹介!

家庭科×多文化共生授業はとても魅力的でした!

 ぐんま国際アカデミー中・高等部で家庭科担当の天海先生は、2021年度の教員研修に群馬県から唯一参加されました。研修での学びを活かした授業では「地震大国日本で在住外国人の方と共生するためのシェアハウスを設計せよ!」をテーマに、グループワークを中心に生徒が主体的に学べるような展開を実践していました。生徒さんが考えるシェアハウスの設計図は様々な視点で作成されており、防災と多文化共生のポイントも考慮されている様子が印象的でした。
 教員研修の報告会をきっかけに3校連携プロジェクトがスタートして約4ヶ月が経過しました。以下、天海先生からプロジェクトに対するメッセージをいただきました。

生徒さんが主体的に学ぶ姿勢が何度も見受けられました

シェアハウスの設計図案

 JICA教員研修の報告会をきっかけに、農大二高等学校と市立前橋高等学校とのコラボ活動が始まりました。テーマは「グローカルアクション〜Think Globally, Act Locally地球規模の課題はローカルな行動とともにある〜」です。多文化共生社会など教員研修で学んだことを生徒に共有することを心がけ指導を行っています。生徒たちは他校と協力し合うことで刺激を受け、思いやりや尊重する心を育むことができています。実際に、「他校の意見を聞いてみよう!」、「他校の期末テストが終わるまでにここまでやっておいてあげよう」など今までとは違う会話が聞かれるようになりました。これこそ多文化共生の第一歩と言えるでしょう。この活動を持続可能なものにするためにJICAの協力は必須です。高校生が先生や親以外の大人と接し、学び、そしてアクションすることが何よりも大切なことです。この活動が一時的なものではなく継続できるものになるよう陰ながら生徒たちのサポートをしたいと思います。

日本一高齢化の進む南牧村の現地調査を実施!村民との交流から得たものとは?!

 「地域の魅力創出×SDGs」3校連携プロジェクトにぐんま国際アカデミーからは、計6名の生徒が参加しています。初期から現地調査にも参加している荒木さんの活動とこれからの群馬県への思いを紹介します。

村の喫茶店もくもくの鰐渕さんに南牧村の現状を伺いました

 私は、JICA群馬様のご協力のもと、3G (Gather Glocal Generations) Lab in Gunmaの一員として、群馬県から集まった3校合同で地域おこしを行うグローカルアクトプロジェクトに参加している。このプロジェクトでは、一人一人の興味のある分野から群馬県の課題解決、魅力発信を通じて地域の創生を目指している。私たちぐんま国際アカデミーのメンバーは、昨年度に日本一高齢化が進んでいるといわれている群馬県の南西部に位置する南牧村に行き、村の方々にインタビュー調査を行った。JICA群馬様からのご紹介で、村の喫茶店もくもくの鰐渕さん、ATLの先生方、地域おこし協力隊のテオさん、環境協会の課長さん、村の高校生などにお話を伺う機会をいただいた。そこで現地の子供たちに村の外の人と交流を深めてほしい、若い人に村の魅力を知ってほしいなどのニーズを発見したため、村の喫茶店もくもくの鰐渕さんが主催している地域未来塾「英会話教室」と「英会話カフェ」に参加し、サポートを行なった。

荒木さん

 このプロジェクトを通して、地域の問題を自分ごととして捉え、グローバルな視点から解決していくこと、すなわち、”Think globally, Act locally” することの大切さを学んだ。また、同じ高校生の他校の生徒との意見交換や話し合いを通じて、様々な分野から群馬の魅力を再確認でき、改めて群馬のすばらしさを実感することができた。今後は、今までの活動から得た経験や協調性などのスキルを活かして、実際のプロジェクト課題解決案を実行し、群馬県の魅力をより多くの人に知ってもらいたい。また、現在行なっている活動を次世代に引き継ぎ、5年後、10年後、そしてその先の群馬がより良く、より明るい場所となるよう、努めていきたい。

ぐんま国際アカデミー高等部  荒木 美帆

グローカルの視点から外国人との共生を考えます! 

 「地域の魅力創出×SDGs」3校連携プロジェクトの多くの場面で他校の生徒を率先していた天海くん。彼の活動と多文化共生を推進するためにできる身近な取組みについて紹介します。

南牧村・地域おこし協力隊のテオさんには英語でお話を伺いました

天海くん

 僕はJICA群馬の宮田さんのガイドのもと、南牧村を訪問し、地域創生の大切さを学んだ。3校合同活動では、僕の住む太田市近隣の大泉町ブラジル人街に興味を持った。大泉町にはブラジルレストランやお店が多く建ち並び、街全体が外国のような雰囲気だ。立ち寄ったレストランでの食事では、今までで一番美味しい魚料理を味わえた。

 また自校から5分の場所にピタゴラス学校というブラジル人学校があることを知った。その学校はNPO法人が運営している。NPO法人が運営する学校は発展途上国だけだと思っていたので、驚きだった。さらに調べると技能実習生への暴力問題などさまざまな課題があることを知った。このような問題を解決することはとても難しいが、先ずは大泉町を多くの日本人へ知ってもらい日本に住む外国人と仲良くなることが先決だ。特に僕はサッカーが好きなのでスポーツを通じて日本人と外国人が自然に仲良くなるような仕組みを実施していきたい。

ぐんま国際アカデミー高等部 天海 志基

2名の生徒の文章において、グローカルな問題を「自分ごと化」していることが印象的でした。高校生だからこそ見える視点でこれからも様々な課題解決に挑戦してほしいと願うと共に、生徒たちの主体的な活動がより活気ある群馬県の未来につながることを期待しています。

国際協力推進員・JICA群馬デスク 宮田 峻弥