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JICA留学生が群馬県で日本の廃棄物リサイクル産業の取り組みについて学びました! ゴミを価値あるものに創造する循環型社会に向けた先進的視点!

9月14日(水)、JICA留学生が群馬県の株式会社ナカダイを訪問。リサイクル率99%を目標とした技術や工夫、モノを捨てずに生かす循環型社会をどのように実現していくのか、といった新たな視点を学びました。

2022年10月3日

リサイクル率99%を目指す群馬県の企業施設の見学 

2022年9月14日(水)、日本の大学院(博士/修士課程)に在籍するJICA留学生14名が群馬県の株式会社ナカダイを訪問し、日本のリサイクル産業についての説明とリサイクル事業の工場施設の視察を通し、世界的な課題である廃棄物処理に係る日本の民間企業の新たな取り組みを学びました。

廃棄物問題は経済成長に伴い発生する問題ですが、廃棄物を再利用・循環させていく上で重要となる的確な回収・分別・処理は容易ではなく、また製造工程以上に労力がかかります。

株式会社ナカダイでは、廃棄物を分別して再生処理・再利用を行う際、常にリサイクル率99%を達成しており、そのために様々な技術改善と回収面も含めた工夫を実現してきました。同社は考え方の共鳴するメーカーと契約を結び、製造側を巻き込んだ廃棄物の再利用・循環も行っています。リユース・リサイクルを効果的に行うことにより、不要なモノを価値あるものに創造してモノを捨てずに生かす循環型社会を構築することを同社は目指しており、近年では、九州の薩摩川内市「サーキュラーパーク九州」(九州電力所有の旧川内発電所跡地を活用する産官学連携の事業。循環型社会の拠点づくり。)にも参加しています。

循環型社会の実現に向けた取り組みへの理解

同社CEOの中台澄之氏は、従来の廃棄物処理の考えにとどまらず、誰もやったことがないことに挑戦したい、との志の下、ゴミを価値あるものに変えるビジネスを推進しています。参加した留学生は一様に、中台CEOの仕事に対するモチベーションとして、「ナカダイの仕事が社会に貢献する良いことであり、さらにボランティアではなくビジネスにもなるというシンプルな動機付けに支えられている」ことに共感していました。また、中台CEOの「いつでもモノが手に入る便利な生活の裏には大量の廃棄物が共存する現実がある」とのご発言に深く頷いていました。

今回のプログラムでは、廃棄物を価値あるものに変えるという株式会社ナカダイのビジネスマインドを学び、循環型社会の実現という新たな視点を理解する非常に貴重な機会となりました。ご協力くださいました株式会社ナカダイの皆様、本当にありがとうございました!

世界各地で対応すべき課題が複雑化し解決が難しくなってくる中、JICA東京では今回のプログラムのように、日本の地方を拠点に大きな目標に向けて活躍する企業等に焦点を当て、その取組姿勢やノウハウ等を受入留学生に紹介し、それらの学びを通じて国造りのヒントを得てもらうとともに、親日派・知日派の育成に力を入れていきます。

報告者名 長期研修課 堀本 隆保