海と島と世界遺産!自然豊かなベトナムの観光地クァンナム省で開始した「宝探し」からはじまる観光開発プロジェクト

全国旅行支援が10月11日から始まり、国内旅行を計画している方も多いのではないでしょうか。地域の文化や食を楽しむことができる旅行・観光は魅力的ですよね。ここでは2022年より新たに開始した 公益財団法人国際開発救援財団とJICA東京の草の根技術協力事業「クァンナム省山岳少数民族地域における地域資源を活用した持続的な農村産業促進のための基盤構築事業」についてご紹介します!

2022年10月13日

クァンナム省は豊かな自然と世界遺産を有する観光地

この村では少数民族の伝統舞踊が地域の宝の一つです

事業対象地のクァンナム省は、豊かな自然環境や風情ある町並みのホイアン旧市街 、古代ベトナムの遺跡群 ミーソン聖域 の2つの世界遺産を有し、世界的に人気の観光地として注目されています。しかし、19の少数民族が暮らす山岳地域は、沿岸地域と比べ発展が遅れています。ここには豊富な自然や少数民族の伝統的な技術・文化・価値観がまだ多く残されており、それらの地域資源を守りながら、活用することで特色のある地域開発の可能性が充分に残されています。

地域の魅力と豊かな資源を最大限活用した持続的な農村産業を促進する 

キックオフワークショップでは、地域の特産品や今後開発が期待される数々の製品を紹介するブースも設置され、参加者に好評でした

FIDRは2022年より同省において、JICAの草の根技術協力事業(パートナー型)として「クァンナム省山岳少数民族地域における地域資源を活用した持続的な農村産業促進のための基盤構築」を開始しました。同事業では、地域の魅力と資源を活用した持続的な農村産業を促進するための基盤である人材育成、官民協力支援、マーケティング、後方支援の体制が機能するようになることを目指しています。
6月に開催されたキックオフワークショップでは、まだまだパンデミックの影響が残る時期ではありましたが、国行政から草の根レベルまでの事業関係者が100名以上も参加し、事業内容や期待する成果等を共有しました。様々なレベルの参加者が集い、地域の宝を発見し、磨き、繋げ、活用していくプロセスに対する興味関心が非常に高く、政府が実施している一村一品活動とのシナジーも期待されています。

「宝探し」からはじまる観光開発

本事業では魅力的でユニークな地域の資源を発掘するために「宝さがし」という方法を活用していきます。「地域や自身の宝」を住民の手で、探し、磨き、誇り、伝え、興す、というステップで進んでいきます。この活動はすでに数郡で始まっており、宝さがしワークショップでは、住民たちが活き活きと地域や自身の宝を誇り、共有し始め、どのように活用するか等のアイデアを検討し始める地域も出てきました。「パンデミックの影響がなくなったら、村のみんなで観光開発を進めて、多くの人々に伝統文化を伝えたい」、「私たちが栽培した農作物を近くの市場で販売したい」等々、様々な声を多く聞くことができました。これから、何十、何百もでてくる村々の宝を、磨き、繋げ、伝え、活用する、そんな地域が活性化していく事業にしていきたいと思っています。

報告者:FIDR 大槻修子