グローバル化時代の国際教育をJICAが分析!~報告書WEB掲載のご案内~

2022年11月18日

国際教育の現状を知り、未来を考える 

最近、教育界隈で「異文化理解」や「多文化共生」というキーワードをよく耳にするけれど、どんな科目でどのように教えられているのか、分からない…。そんな先生方が多いのではないでしょうか。

JICA東京は昨年度、日本国内における国際教育の取り扱いに関し、中学校「社会」「理科」「総合的な学習の時間」の学習指導要領、教科書、授業実践例に基づいて分析いたしました。国際教育の諸要素を12の学習領域(注)に分類し、国際教育の内容の傾向や多く取り扱われる単元が判別できるようになっています。
(注)日本国際理解教育学会編著『グローバル時代の国際理解教育 実践と理論をつなぐ』明石書店(2012年)にある「国際教育の実践的枠組み」を基に、次の12の領域に分類。
 ・多文化共生 (1)文化理解 (2)文化交流 (3)多文化共生
 ・グローバル社会 (4)相互依存 (5)情報化
 ・地球的課題 (6)人権 (7)環境 (8)平和 (9)開発
 ・未来への選択 (10)歴史認識 (11)市民意識 (12)社会参加・協力

2018年度に内閣府が実施した国際比較調査によれば、日本の若者は「異文化理解力・対応力」を「十分/ある程度身に付けていると思う」者の割合が約3割で、調査対象国の中で最も低く(報告書pp.9-10)、日本の国際教育はまだまだ途上といえます。報告書では、JICA地球ひろばの「先生のお役立ちサイト」にアップされているJICAの開発教育支援教材の活用案も紹介されています。
こちらも併せて要チェックです!


~報告者より~
皆様はじめまして。JICA東京市民参加協力第一課インターン生の鎌倉啓伍と申します。大学では、ロシア東欧地域の言語を専門に研究する傍ら、生徒をまだ見ぬ世界へ導いていける英語の先生になるべく、勉強中です。
と言っても、私自身、「国際教育」に対して確たるイメージを持てていません。インターン中に様々な授業実践を見学し、そこから得た学びや気づきを、オンライン記事で皆様にお伝えします。インターンでの経験を活かし、将来、異文化に興味をもち、広い視野で物事を考える生徒を育てる授業ができればと思っています。よろしくお願いします!

報告:市民参加協力第一課 鎌倉啓伍(インターン)

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報告書に掲載されている授業実践例を見て、
「教材選び、難しいなあ」
「私はこの動画を使うと良いと思う」
などと話が弾みます。

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社会科の教員志望のJICA東京インターン生・久保田。
こちらは、教科書の分析をまとめた表を眺め、
「ここに多文化共生を考えるポイントがあるのか…。」
などと黙々と学んでいます。