SDGs達成に貢献するソリューションとは?大学生とJICAが熱く議論!「SDGs Innovation Cafe」

2019年1月31日

2015年のSDGs採択から3年半が過ぎようとしています。この間、日本国内では、様々なアクターによるSDGsの認知・取組みが広がりました。一方、SDGsターゲットイヤーの2030年に、世界、そして日本を担う主役となる若い層の認知・取組みはどうでしょうか。JICAは、大学生・院生を対象として、SDGsとJICAについて理解を深め、SDGsを「自分ごと」と捉えてもらうことを目的に、「SDGs Innovation Cafe」と題したイベントを2018年12月・2019年1月の2回、JICA本部で開催しました。

イベントでは、世界の課題解決=SDGs達成にはどのような解決策がありうるのかについて、事例を取り上げ、JICAスタッフも加わり考え、まとめる、というグループワークを実施。多様なアクターの知恵・知見を組み合わせ課題解決の方策を生み出す、というSDGs達成のカギとなるアプローチ「オープン・イノベーション」を参加学生に体験してもらいました。取り上げたのは、「発育阻害」(注)です。

(注)発育阻害(出生後1000日間の慢性的な栄養不良により、子供の心身の発達が標準より著しく低くなること。子供のその後の学習や勤労収入の可能性が大きく妨げられ、マイナスの影響が一生続く)は、アフリカで深刻な課題。その原因は直接的なもの、間接的なもの、さらにその背後にあるものなど、重層的かつ多様で複雑であり、SDGsのゴール2(飢餓をゼロに)、3(全ての人に健康と福祉を)をはじめ複数のゴールに関係する課題です。

当日は、各回約30名の学生が参加。JICAスタッフ各1名が配置された6つのグループに分かれ、SDGsとJICAについてのプレゼンテーションを聴講した後、「アフリカ・マダガスカルのある家族の“発育阻害(栄養不良)”を改善するソリューション」についてグループワークを行いました。

参加した学生の方々はみな「初対面」。グループワーク開始当初は、与えられた課題を真剣に考え込み、なかなか「ソリューション」のアイデアを出せない参加者もいましたが、JICAスタッフによるファシリテーションなどもあり、次第に議論が活発化。制限時間を過ぎても、グループごとに1つ選んだソリューションをより深く検討したい、と多くのグループが議論を継続。全体で2時間半という長時間のイベントでしたが、多くの参加者が休憩も取らず熱心に参加しました。

「栄養学校建設」「走れ!SDGsカー」「「母親学級in チャーチ」「サステナブル・コミュニティ・プロジェクト」。これらは、グループワークの結果、提案されたソリューションの一部です。学生の柔軟・自由な発想と途上国の現場を知るJICAスタッフの情報が組み合わされた、わくわくするソリューションが飛び出しました!

参加者からは、終了後のアンケートで「自分が持つ知識を活かし、想像力を膨らませながらソリューションを出していけば、実際に支援の1歩になるかもしれないと確認できた」「SDGsを知っていても日常生活では考える機会がなく、考えを深めることができた」といったコメントや、イベントへの高い満足度が示されました。イベントに参加したJICAスタッフも、SDGsを通じて学生と充実した時間を過ごし、確かな手ごたえを感じました。JICAはこれからも、若い世代がSDGsを知り、「自分ごと」と捉え、「自分に何ができるか」を考えるきっかけになる取り組みを進めていきます。

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グループワークで熱心に議論する学生とJICAスタッフ

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グループワークの成果を発表する学生