TICAD

2013年6月に開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、小規模農家の所得向上を果たしたSHEPの広域展開が今後のアフリカにおける農業分野の柱のひとつとして打ち出されました。

SHEPは、TICAD Vの開会式における安倍総理のスピーチにおいて、「『食べるため』から『稼ぐため』の農業に変えていきたい」、「(SHEPは)市場に行って何が売れ筋か農村の女性自身が確かめ、付加価値の高い園芸品を効率よく作る方法」と言及されました。

TICAD V横浜行動計画農業セクターのメッセージは「農業従事者を成長の主人公に」。SHEPアプローチは農業・食料安全保障・栄養セクターの4つの重点分野の一つとなっています。

TICAD Vの主な支援策

農業従事者を成長の主人公に(農業、食料、栄養安全保障)

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  • 自給自足から儲かる農業への転換(SHEPアプローチ)を10ヵ国で展開。技術指導者1,000人の人材育成、5万人の小農組織を育成。
TICAD V横浜行動計画(2013〜2017)で掲げたSHEPアプローチ関連指標は以下のとおりです。

  • SHEPアプローチの展開:10か国
  • SHEPアプローチを推進する技術指導者の育成:1,000人
  • SHEPアプローチを実践する小規模農民の育成:50,000人

現在、アフリカ24か国の9800人の普及員を含む行政官がSHEP研修に参加し、11万人の農家がSHEPを実践しています。(2018年度時点)

TICAD VIの進捗報告

【画像】2013年に開催されたTICAD Vを契機に、「儲かる農業」に向けた小規模園芸農家の能力向上を促進するための取り組みが進んでおり、過去2年半の活動の成果と各国におけるSHEPアプローチの進捗状況や成果・課題を学び合う機会として、2016年にTICAD VIのSHEPサイドイベントが開催されました。

より幅広い層の人々にSHEPアプローチを理解してもらうために開発された、新しい普及・広報ツールである「SHEPゲーム」(コンピュータゲーム及びスマートフォンアプリ)のお披露目も行われています。

TICAD 7の進捗報告

SHEPを通じて100万人の農家により良い暮らしを

【画像】各国政府の行政官の熱意により、TICAD Vで掲げられた目標はその3年後には達成されました。現在、アフリカを超えてアジアや中南米でも、SHEPが既存の農業普及システムに導入され始めています。

これを受け、2019年のTICAD 7では、「SHEP100万人宣言」が発表されました。各国政府関係者、開発パートナー、民間企業、他関連団体が参画した共同宣言です。

  • 私たちは、SHEPを活用することで農家がビジネスとしての農業を実現できるよう最大限取り組み、2030年までに少なくとも100万人の小規模農家がより良い暮らしを実現できるよう取り組みます

TICAD8の案内

【画像】TICAD8のサイドイベントでは、「革新的な農業普及とは-SHEPアプローチを通じて-」と題し、IFADとの共催で「SHEP100万人宣言」の達成に向けたアフリカでの取組事例、他ドナーとの連携状況、SHEPに関する研究結果について発表いたします。他ドナーやNGOなど、さまざまな組織とのコラボレーションが加速しています。参加登録の上、ぜひサイドイベントにご参加ください。

本イベントは、2022年8月24日(水)日本時間19:30~21:00、オンライン形式で行います。

(注)登録締め切りはイベント前日の17:00までです。

共同宣言文(本文)