JiPFA第5回フードバリューチェーン分科会 「農村生計多様化のための昆虫バリューチェーン構築に係る情報収集・確認調査」報告会

日時:2024年2月21日(木)16:30~18:00
会場:オンライン会議(Microsoft Teams)
参加者:92名

開催概要

1. 開会の挨拶

大島 歩
JICA経済開発部次長(農業・農村開発第一グループ長)

2. JICA経済開発部にて実施した昆虫基礎調査結果報告

リエラ 麻子、奥山 洋大、山本 侑、明里 舞子
農村生計多様化のための昆虫バリューチェーン構築に係る情報収集・確認調査(日本工営/コーエイリサーチ&コンサルティング共同企業体)

3. 同調査内 ベトナムでの共同調査実施者からの報告

木下 敬介
株式会社フライハイ 代表取締役

4. 農林水産省の取組(フードテック官民協議会を中心として)

片瀬 透
農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部新事業・国際グループ エキスパート(フードテック)

5. JICA事業のご紹介

中村 鴻太
JICA経済開発部農業・農村開発第一グループ第一チーム

6. 閉会の挨拶

橋本 洋平 
JICA経済開発部農業・農村開発第一グループ第一チーム課長

質疑応答

質問1

質問:
BSF(Black Soldier Fly, アメリカミズアブ)の飼料有効性(養魚分野)は既に一定程度証明されており、タイ・ベトナムではBSF事業が外資も参入して進展する一方、ラオス・カンボジアでは極めて限定的。後者二国のBSF産業が進展しない要因として、低い認知度・低い技術水準・幼虫生産のための飼料調達の難易性、などがあげられると思うが、その他の制限要因について、もし何かあればお示し頂きたい。

登壇者からの回答:
タイ・ベトナムメコンデルタ地域は大農業地帯であり、農業廃棄物処理の課題がある。更に、タイ・ベトナムは後者2国と比較して食品加工工場が集積しているという点もあり、BSF生産のための原材料の調達の容易さも挙げられると考える。

質問2

質問:
「JICA経済開発部にて実施した昆虫基礎調査結果報告」で報告のあった食料残渣を活用したコオロギ餌のコストは、回収や加工にかかるコストは含めたうえで積算されたものかお伺いしたい。同時に、東南アジアではコオロギ向けの一般飼料がすでに流通しているのかお伺いしたい。

登壇者からの回答:
コストの試算については、回収や加工に係るコストは含めていない。コオロギ飼料の流通については、国によって異なる。例えば、ラオスであれば鶏用の飼料をコオロギの飼料として利用しているため、飼料価格がボトルネックであるのに対し、タイでは比較的安価なコオロギ専用飼料が一部の地域で出てきている。

質問3

質問:
ゾウムシ市場に関して、2023年7月に現地調査を実施しているが、その後の市場情報についてお伺いしたい。例えば「中国市場」など東南アジア以外でも国外市場の追加情報があればご教示いただきたい。

登壇者からの回答:
7月以降、ゾウムシ市場に関して追加情報は得られなかったが、ラオスからベトナム・中国に非公式な経路で流通されている可能性が高い。