2021年4月20日
- 1 . JICA(国際協力機構)は、2021年3月に、東南アジア、南アジア、アフリカなどで進める都市鉄道プロジェクトを紹介する書籍「鉄道で世界をつなぐ-海外プロジェクトの現状と展望」を日刊建設工業新聞社より出版しました。それを記念し、JORSA(日本鉄道システム輸出組合)主催のオンライン講演会を開催したところ、70名以上にご参加いただきました。
- 2 . 初めに、小泉幸弘・JICA社会基盤部次長(兼)運輸交通グループ長が、開発途上国における都市化及び交通渋滞の現状、都市鉄道建設によるCO2削減効果に加え、JICAが世界で進める都市鉄道プロジェクトやアニメーションを利用したPR活動について紹介しました。その後、田中圭介・JICA社会基盤部運輸交通グループ第3チーム職員より、新型コロナウィルスが、アジア地域の駅利用者数に与えた影響や、世界の鉄道事業者等による新型コロナ対策について説明しました。
- 3 . 質疑応答では、新型コロナウィルスの影響により、雇用創出を目的とした新規インフラプロジェクト開始等の事例があるかという点や、気候変動対策の観点から運輸交通分野が果たす役割などについて参加者から質問がありました。これに対し、小泉次長から、新型コロナによる財政負担増大を理由として事業を停止した事例(スリランカLRT)もあるが、開発途上国においては引き続き都市鉄道プロジェクトが着実に進められていること、新型コロナウィルス拡大の直後にJICA理事長がいち早く「JICAの事業は止めない」というメッセージを打ち出し、これに沿って事業を進めてきたこと、運輸交通分野からのCO2排出削減は重要な課題であり、自動車に比してCO2排出量が少ない都市鉄道への転換が重要である旨回答しました。
- 4 . JICA社会基盤部運輸交通グループでは、引き続き、ポストコロナ社会においても、安全で信頼性の高い都市鉄道が世界で実現されるよう、プロジェクトを実施していく予定です。
オンライン出版記念セミナーの様子
(注)当日の資料はこちら。
scroll