都市開発・地域開発

サブセクターの紹介

都市計画マスタープラン

開発途上国の都市部の多くでは、都市の発展に伴って地方部から人口流入が進み、住宅や都市機能の不足から生じる無秩序な広がりが見られます。災害リスクの高い地域や、インフラ未整備地、衛生面で課題を抱えるエリアなどに人々が居住し、脆弱な環境下で生活することを余儀なくされることもあります。また、新興住宅地では、住民同士のつながりが弱く、地域内での相互協力関係が機能しづらい状況も生まれています。

誰もが住みやすく、愛着を持てるような持続可能な都市を作るためには、望ましい都市の将来像を幅広い関係者の参加を得て実現していくことが大切です。また、誰もが恩恵を受けられるような社会と経済の発展が継続するよう、行政や民間企業、研究機関、NPO/NGO団体、地域住民がそれぞれの立場から都市づくりや居場所づくりに参画できる体制を整えることが不可欠です。

都市計画マスタープランは、自治体が住民の意見を反映させながらまちづくりの目標や将来像を明確にし、人口や経済成長予測を踏まえて、適切な空間利用や公共施設整備、インフラ開発事業等に関する都市計画の中長期的な基本的な方針を定めたものです。マスタープランに沿ってまちづくりを進めることで、都市化によって起こりうる様々な問題を回避するとともに、実際に生じた問題に対する関係者間での解決を促進し、都市化が生み出す新たな可能性や豊かさの実現も目指すことができます。

JICAは、途上国の主要な都市部における都市計画マスタープランの策定や、その実現のための計画管理能力・実施能力に関する人材の能力強化を支援しています。また、自律的な都市・地域マネジメントのために地域コミュニティの活性化支援や、地域振興支援を通じて、住民の手によるまちづくりの実現を目指しています。

事例紹介