JICA海外投融資についてのよくあるご質問と回答

Q1:海外投融資ではどのような分野が対象になるのでしょうか?

A:海外投融資では以下の3分野を対象としています。

  • インフラ・成長加速
  • MDGs(注1)・貧困削減
  • 気候変動対策

例えば、民間企業等が実施する、電力・運輸・上下水・廃棄物処理・通信・保健医療・教育等の分野におけるインフラ事業(PPPインフラ事業等)、産業発展のために重要な基盤となる事業(人材育成、資源関連インフラ等)、貧困層の生活を向上させ社会開発に貢献するビジネス(BOP(Base of Pyramid)Business等)、貧困層・零細企業等を対象とするマイクロファイナンス、雇用拡大に資する中小企業支援、植林・災害対策・省エネ・公害対策等の気候変動対策に資する事業等が対象となります。具体例についてはこちらをご参照ください(PDF/483KB)

(注1)「ミレニアム開発目標(MDGs)」は、2015年9月の「持続可能な開発サミット」で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に継承されています。

Q2:海外投融資の対象となる国はどこでしょうか?

対象となる国はODAの対象国となります。ODAの対象国についてはOECDが設定しているODA DAC(注2) Listに基づいておりますので、こちらをご参照ください(外部サイト)

(注2)開発援助委員会(DAC:Development Assistance Committee)

Q3:海外投融資を利用するうえで必要な要件などはありますか?

海外投融資を検討する際には、以下の要件が必要となります。

  • 当該国政府の開発政策等に沿い、且つ開発効果の高いもの
  • 事業計画が適切であるとともに、事業達成が見込まれること
  • 国際協力機構(JICA)による支援が事業の成立のために必要であること
  • 既存の金融機関による貸付け又は出資では事業が成立しないことが認められること

Q4:JICA海外投融資ではどのような形で民間金融機関と協調しているのでしょうか?

平成27年11月の日本政府による「「質の高いインフラパートナーシップ」のフォローアップ」施策(外務省ホームページ)において、「JICAの譲許的条件(金利、期間、債権順位等の面)での融資が既存の民間金融機関が行う資金の貸付け又は出資を質的に補完することでこれを可能にする場合、民間金融機関との協調融資を可能とする」とされています。

当該施策を踏まえ、本邦民間金融機関との間でJICAが質的な補完(金利、期間、債権順位等の面で譲許的な条件での融資)をする形での協調融資案件が検討可能です。独立行政法人日本貿易保険(NEXI)との連携も含めた民間金融機関との協調融資の検討も可能です。

また、新興・途上国等で業務を行う地場の民間金融機関との協調についても、積極的に検討しています。

Q5:JICA海外投融資ではどのような形で国際機関と協調しているのでしょうか?

JICA海外投融資では国際金融公社(International Finance Corporation, IFC)、アジア開発銀行(Asian Development Bank, ADB)、欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development, EBRD)等の国際機関とも協調した形での出融資を行っています。

IFCとの間では2015年4月に協調融資に関する基本協力協定(Master Cooperation Agreement、MCA)を締結し、MCAに基づき協調融資案件を検討しております。

ADBとの間では2016年3月にADBが設立する信託基金への出資契約を締結し、アジアにおける質の高いインフラ投資を促進する体制を構築しております。同信託基金に加えて、個別案件での協調融資も検討しております。

EBRDとの間では個別案件として協調融資案件を2016年9月に承諾しております。

JICAは今後も国際機関との連携を強化し、協調出融資案件の組成を行っていきます。

Q6:海外投融資の一件あたりの出融資額に制限はあるのでしょうか?

融資については、融資割合は原則として総事業費の70%が上限となります。特に必要と認められる場合には80%となります(案件の特性等に応じて必要性は個別に検討)。融資の償還期間については原則として20年以内(最長25年)、うち据置期間は原則として5年以内(最長10年)とされています。

出資については、出資比率は50%以下(現地企業への直接出資の場合は25%以下)かつ、最大株主の出資割合を超えない形が原則となっています。また、最大株主の出資割合を超えない範囲で、現地企業への直接出資比率を50%まで拡大することや政策上特に重要な案件については、これを上回る出資比率を認めることなどの出資比率上限規制の柔軟な対応も検討しています。

出融資金額規模については、個別案件毎にその政策的重要性やリスク等も踏まえつつ、必要に応じて柔軟に検討することが可能です。

Q7:海外投融資の融資で対応可能な通貨はどの通貨でしょうか?

海外投融資の融資では円建て、ドル建て、ユーロ建て、現地通貨建て(インドネシアルピア、フィリピンペソ等通貨スワップ市場取引が可能な通貨)の対応が可能です。円建ての場合は固定金利、ドル建て、ユーロ建ての場合は変動金利がベースとなります。ただし、円建て以外の通貨は、事業遂行上の必要性に応じて検討します。

Q8:海外投融資の審査等の手続きにはどのくらいの期間が必要なのでしょうか?

海外投融資の新規案件の承諾までの業務フローにつきましてはこちらをご参照ください

平成27年11月の日本政府による「「質の高いインフラパートナーシップ」のフォローアップ」施策におきまして、「JICAにおいて審査可能と判断される案件について、民間企業等の申請から原則1か月以内(JICAによる三省説明から原則、2週間以内をめど)に審査を開始する」とされており、JICAとして海外投融資の迅速化に尽力しています。

審査開始後に必要な期間につきましては、個別案件毎の状況次第ですが、平均的には3〜9か月程度となっています。

ただし、JICAの環境社会配慮ガイドラインに基づき、環境や社会への重大で望ましくない影響のある可能性を持つようなプロジェクトとしてカテゴリA案件と分類された案件につきましては、通常の業務フローに加えて環境社会配慮助言委員会関連の手続きが必要となり、必要とされる審査期間は長くなる可能性があります。

Q9:海外投融資では、融資資金がどのような形で活用されることが必要とされているのでしょうか?

JICA海外投融資は対象国政府の開発政策等に沿い、開発効果の高い案件を支援する業務であり、主には、当該事業を実施するにあたり必要となる資金(設備投資資金、事業開発費用、長期運転資金等)に充当されることが想定されます。

ただし、民間企業が、途上国に既に存在する事業運営等に参画することを計画する場合において、この参画を通じた事業運営改善やノウハウ移転等を通じて、対象事業に新しい開発効果が見込まれる場合には、海外投融資資金が、事業権取得のために必要な費用や既存債務のリファイナンスに充当されることも検討致します。