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- JICA経済開発部 SHEPアプローチでより良い暮らしを-100万人の小規模農家への普及を目指して-
「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」農業へ
収入が増えただけでなく、農業から得られる充実感が得られたことも、SHEPアプローチの大きな成果の一つです。
SHEPアプローチは、「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」への意識改革をもたらす、農業普及手法です。SHEPアプローチを取り入れた国々では、農家の所得が大幅に向上し、農業に対する充実感も得られる結果となっています。
2019年の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)では「SHEPを通じた小規模農家100 万人のより良い暮らしを目指す共同宣言」が表明されており、2030年までの達成に向けて、JICAプロジェクトだけでなく他ドナーやNGO等と連携した活動の展開が求められています。
SHEPの実施者は課題別研修を中心に育成してきていますが、コロナ禍以降も遠隔による課題別研修を継続するため、JICA-Netマルチメディア教材「SHEPアプローチ研修 実践編」を作成しました。
SHEPアプローチの具体的な普及活動を紹介
過去にもSHEPアプローチの教材はいくつか制作されていますが、その中でも本教材では特にSHEPアプローチの実際の活動に焦点を当て、普及のための4つのステップ(ステップ1. 農家とゴールを共有する、ステップ2. 農家が気づく、ステップ3. 農家が決める、ステップ4. 農家の技術が向上する)について、SHEPアプローチを取り入れた国や地域の農家や普及員のインタビュー、現地の豊富な映像を交えてじっくり解説する実践的な内容になっています。
教材では、SHEPアプローチを取り入れた国や地域の農家や普及員のインタビュー、現地の豊富な映像を交えてじっくり解説しています。
本教材は、映像という視聴覚教材であるため、言葉だけで説明するより正確に、早く理解を得られやすいという利点があります。また、成功事例を直接普及員・農家に見せることができるので、イメージがつきやすくモチベーションの向上につながります。
研修、現地プロジェクト、大学の講義等様々な場面で活用
本教材は、開発途上国の政府職員や、農業普及員、また国際機関、民間企業、NGOなどの他機関パートナーにおけるSHEP実施者や営農指導者、日本の学生・一般市民を対象としており、すでにアジア、アフリカ、中南米、中東の国々を対象とした課題別研修(オンライン含む)や現地技術協力プロジェクトで実施している研修、国際ワークショップ等で活用しています。
現在は対面での講義においても、あらかじめ本教材の視聴により研修のポイントを伝えた後、現場を訪問して質疑応答を行うといった方法に切り替え、効率的に進めることが出来ています。また、課題別研修以外の遠隔研修やプロジェクトの現場等でも大変役に立っています。
他にも各種講義等での教材としても有用で、実際に、大学での実践的な農業普及を学ぶコースにおいて、モジュールにSHEPが取り入れられる事例がでてきており、今後、そのような授業の中でも、本動画教材の活用が期待されます。
なお、2020年度に作成したJICA-Netマルチメディア教材「SHEPアプローチ研修ダイジェスト」と本教材と併せて視聴することで、より詳細な情報を事前に得ることができます。
SHEPアプローチを100万人の小規模農家へ
JICAでは、農家に対する実践が可能な人材7万人を育成する予定です
JICAでは、2030年までに100万人の小規模農家にSHEPアプローチを活用した農業普及サービスを届けることを目標に掲げています。これを達成するために、SHEPアプローチを理解し、農家に対する実践が可能な人材7万人を育成する予定です。
SHEPに関心のある各国行政官、普及員や協力隊員、NGOや開発パートナーおよび一般の方々にも広く視聴いただき、世界各国のSHEP活動現場におけるSHEP研修時や、課題別研修の事前自主学習教材、SHEPアプローチの活用を検討している各国政府機関、他ドナー、民間事業者などがSHEPアプローチの基礎を学んだり、日本人を含めたSHEP専門家を育成するための教材として活用したいと考えています。
関連ページ
山﨑 暖
JICA経済開発部 農業・農村開発第一グループ第三チーム
このページで紹介している教材
SHEPアプローチ研修 実践編
「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」の農家の意識変革をもたらすSHEPアプローチは、日本の農業普及から多くのヒントを得て開発されました。この実践編動画では、実際に世界各国にてSHEPアプローチに取り組む農家や普及員の声を紹介します。
2019年の第7回アフリカ開発会議(TICAD VII)において「SHEPを通じた小規模農家100 万人のより良い暮らしを目指す共同宣言」が表明されており、2030年までの達成に向けてJICAプロジェクトだけでなく他ドナーやNGO等と連携した活動の展開が求められています。SHEPの実施者は課題別研修を中心に育成していることから、本教材にて研修のポイントを伝えることにより、対面での講義を受講せずとも遠隔でSHEP実施者育成の促進を目的として、動画を作成しました。
2020年度に作成したマルチメディア教材「SHEPアプローチ研修ダイジェスト」と本教材と併せて視聴することにより、研修で活用する際により詳細な情報を事前に得ることができます。
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