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JICA中部 企画展「PEACE-安心な毎日を-」で教材を上映-JICAの人身取引対策を紹介-

JICA中部なごや地球ひろばの企画展で上映

JICA中部なごや地球ひろばの入り口。

JICA中部なごや地球ひろば。入ってすぐのところで展示を行っています。

JICA中部なごや地球ひろばでは、2024年12月26日から2025年5月18日まで企画展「PEACE-安心な毎日を-」 を開催しています。
本企画展では、すべての人びとが、どんな状況下でも尊厳や権利が守られ、安心して暮らせる世界の実現を目指して、JICAが世界の人びとと実施する協力を紹介しています。
今回、企画展示コーナーの一つとして、JICAが実施する人身取引に対する取り組みを来館者に紹介するために、JICA-Netマルチメディア教材「人身取引の現状とJICAの取組み」(ダイジェスト版)を、デジタルフォトフレームに映す形で展示しました。

メコン地域におけるJICAの人身取引に対する取り組みを紹介

人身取引は、被害者の精神や心と体に深刻な影響を及ぼします。
急速なグローバル化に伴い、メコン地域では経済発展が進む一方、人身取引被害も拡大しています。そのような状況を踏まえ、JICAは、メコン諸国で人身取引に対する様々な取り組みを行ってきました。
「人身取引の現状とJICAの取組み」では、メコン地域における人身取引の状況と事例を解説し、JICAが行った3つのプロジェクトをご紹介しています。
タイの「人身取引被害者保護・自立支援促進プロジェクト」では、プロジェクトを通じて、元人身取引被害者への生活再建に向けた支援のための施設「Live Our Lives」に協力しました。ミャンマーでは、人身取引被害者の保護とソーシャルワーカー等の能力向上のための「人身取引被害者自立支援のための能力向上プロジェクト」、ベトナムでは「人身取引対策ホットラインにかかる体制整備プロジェクト」を実施しました。

タイの「Live Our Lives」の活動。元人身取引被害者がスタッフとして、学校や施設で人身取引の被害に遭わないための啓発活動を行っています。

中高生に関心をもってもらうために

テーマごとに工夫を凝らした展示を行っています。

企画展は「法律」「選挙」「難民」「人身取引」といったテーマごとに展示を分け、各コーナーでは、親しみやすいようにクイズを作成したり、写真や文字パネルの展示を行ったりしました。
教材は、動画素材を用いることで、文字パネルだけでは伝わらない現地の様子、特に、プロジェクトに取り組む現地の方々の表情や、現地の学生たちの様子が見られる点が優れていると思いました。

来館者には中高生が多く含まれるため、同世代の姿が見られる動画は関心をひきやすいという利点もあります。
実際、来館した高校生からは、「人身取引は、マンガの中で起こっていることだと思っていましたが、展示や映像を見て、現実世界で起きていることだと知り驚きました。世界にたくさん課題があるけど、まずは自分にできることを考えてみようと思いました。」といったコメントをもらいました。
また、館内では、音声を十分に聞き取れるほどの音量で上映できないため、テロップがあることも展示に適していました。

JICA中部なごや地球ひろばの2023年度の同時期の来館者数実績は約7,500人でした。今期も同様の来館者が見込まれます。できるだけ多くの来館者の方々に教材を見ていただき、JICAの活動や世界の現状を知るとともに、すべての人びとが安心して暮らせる世界を考えるきかっけになれば幸いです。

「人身取引」のコーナー。右上のデジタルフォトフレームに教材を映しています。

後藤 千明
JICA中部

このページで紹介している教材

人身取引の現状とJICAの取組み

本教材では、メコン地域での人身取引被害の状況を踏まえ、タイ、ミャンマー、ベトナムのそれぞれの国でのJICAの支援をご紹介します。特にタイでは「人身取引被害者保護・自立支援促進プロジェクト」において、人身取引被害の対策に取り組む関係機関の「他分野協働チーム(MDT)」の能力強化や、元被害者による活動を支援しており、カウンターパート(社会開発人間の安全保障省)と一丸となって、被害の予防や被害者の保護のための活動に取り組んでいます。