2026年度高専オープンイノベーションチャレンジの最終審査会を開催しました
2026.07.07
6月13日、JICAが国立大学法人長岡技術科学大学(以下長岡技大)と実施する高専生のハッカソン「KOSEN Open Innovation-Challenge from Africa 2026」(以下高専OI)の最終審査会が、長岡技大リージョナルGXイノベーション共創センター(新潟県長岡市)で行われました。全国15チームの応募の中から、書類選考を通過した高専計8校9チームが一堂に会し、英語によるプレゼンを通じてアフリカの社会開発課題解決のためのアイデアを競いました。
参加者・審査員の集合写真
今年度はマダガスカルとマラウイが提案対象国とされ、テーマはそれぞれ「捨てられているバイオマス・水資源を、価値に変える」と「雨音を止めろ。授業を守れ。」が設定されました。高専チームから、学校での実験や現地の人々への事前インタビュー等を通じて練り上げられた課題解決アイデアが提案されました。
英語プレゼンの様子(長岡高専)
審査会当日は、高専OI事務局長の中山忠親・長岡技大特命副学長・教授をはじめ、公的機関・アカデミア・民間企業の多方面から下記審査員にご参加いただき、プレゼン審査を行いました。
審査員から、毎年、プレゼン内容のレベルが上がっている・過去に参加した先輩からのフィードバックを活かしているとのコメントがありつつ、質疑応答では、「コストや手間はどの程度かかるのか」「プロダクトはどの程度の期間使い続けることができるのか」「現地では誰が技術を広げるのか」等、現地での導入・普及を見据えた質問が数多く見受けられました。
審査員による厳正な投票の結果、入賞チームとして八戸高専と福島高専の2校が選ばれました。今後、入賞チームは日本でのプロトタイプ試作・実証実験を経た後、それぞれマダガスカル、マラウイに渡航し、現地で実証実験を行う予定です。
<審査員一覧>
●マラウイ国駐箚 大矢洋一 前 特命全権大使
●東京外国語大学 中山俊秀 副学長
●国際教養大学 寺野摩弓 准教授
●大阪公立大学 林宣伶 助教
●有限責任監査法人トーマツ 坂田 道志 シニアマネージャー
●長岡技術科学大学 中山忠親 教授(特命副学長)
●長岡技術科学大学 栗林知美 上席URA
●JICA 中村俊之 理事長特別補佐
●JICA 渡守麻衣 アフリカ部アフリカ第二課主任調査役
英語プレゼンの様子(大分高専)
●マダガスカル課題:「捨てられているバイオマス・水資源を、価値に変える」
・入賞:八戸高専「One Grain, Zero Waste: Healing Madagascar's Land Through Rice-Based Charcoal & Craft Alcohol Circular Economy」
●マラウイ課題:「雨音を止めろ。授業を守れ。」
・入賞:福島高専「A Project to Improve Learning Environments in Malawi through the Introduction of a Rain Noise Reduction System for Corrugated Metal Roofs Using Plant」
八戸高専チームと中村JICA理事長特別補佐
福島高専チームと大矢前マラウイ大使
また、企業・団体特別賞として、以下のチームが表彰されました。
●コミュニケーション賞:茨城高専(マダガスカル)「KOI TAN ~Rice Husk Biochar for Sustainable Agriculture~」
●アイディア賞:鹿児島高専(マダガスカル)「One Waste, Two Solutions, Infinite Future From Waste to Sea and Soil」
●マネージメント賞:明石高専(マラウイ)「PAMODZI NDI MVULA Building a Regional Circular System in Harmony with the Rainy Season」
●アイディア貢献賞:大分高専(マダガスカル)「Safe Water from Local Resources ~Developing Affordable Filtration Systems for Madagascar~」
茨城高専チームと中山東京外語大学副学長
鹿児島高専チームと林大阪公立大学助教
明石高専チームと寺野国際教養大学准教授
大分高専チームと栗林長岡技大上席URA
高専OIは、2019年から今年度までに計7回実施され、全国の高専から延べ約300名以上が参加してアイデアを競いました。
過去の高専OIではケニア(長岡高専:アメリカミズアブの肥料・飼料化)やルワンダ(北九州高専・都城高専:コーヒー豆の糖度自動測定装置の開発、宇部高専:ゲーム機能を搭載した栄養・健康改善指導アプリ機能の開発)、ナイジェリア(佐世保高専・北九州高専:自己発電型水道メーターの開発)など計17件を提案・制作しました。また、アフリカで実証実験を行った高専生発案のソリューションを日本の地域課題にも応用すること(リバースイノベーション)を目指しており、実際にアメリカミズアブの肥料・飼料化事業はアフリカでの実証実験を経て日本での実用化が進められています。
アフリカの社会開発課題への取組とリバースイノベーションを組み合わせた試みが評価され、高専OIは2023年度日本オープンイノベーション大賞(内閣府主催)の最優秀賞(内閣総理大臣賞)に選ばれました。
●高専OIウェブサイト
Kosen open innovation challenge | オープンイノベーション (kosen-oi.com)
●25年度高専OI最終審査会
2025年度高専オープンイノベーションチャレンジの最終審査会・入賞チーム表彰式を行いました! | アフリカひろば - JICA
●JICA・長岡技術科学大学「アフリカ地域のソーシャルイノベーションに関する教育研究の覚書」(2024年3月)
長岡技術科学大学とアフリカ地域のソーシャルイノベーションに関する教育研究の覚書を締結 | アフリカひろば - JICA
●第5回日本オープンイノベーション大賞・内閣総理大臣賞受賞について(2023年2月)
「JICA-高専オープンイノベーションチャレンジ」の取り組みが「第5回日本オープンイノベーション大賞」内閣総理大臣賞を受賞 | ニュース・メディア - JICA