【世界を旅する千ちゃん】日本で学ぶタイ人研修員

研修員受入事業

2021年8月25日

JICAプラザ入口で皆さんをお出迎えしている当センターのキャラクター「千(セン)ちゃん」
高校3年生の春、広島県へ転校することになった千ちゃん。
その道中に不思議な体験をし、気が付いたら海外へ!

JICAは日本人をタイに派遣するだけではなく、タイ人を日本に受け入れる事業もしています。

国づくりを担うリーダーを日本に招いて技術やノウハウを伝える

JICAでは、毎年およそ150か国から1万人を超える開発途上国の技術者や行政官などを「研修員」として受入れています。
研修員は、国づくりに必要な技術や知識を習得し、また、日本で生活することを通して、日本の伝統・文化に対する理解を深めて帰国し、それぞれの国の発展に貢献することが期待されています。

JICA中国では人類初の原爆投下から復興した経験に基づく平和構築や、国内有数の教員養成の実績に根差した教育協力、日本の産業構造の縮図と言われる中国地方の知見を活かした民間セクター開発といった、この地域が有する強みを活かした研修事業を展開しています。

海上保安政策プログラムとは

JICA中国が実施している研修のうちの一つに「海上保安政策プログラム」があります。
このプログラムはアジア地域で国際的なルールに基づいた海上保安政策を立案できる人材を育成し、各国とのネットワーク・協力関係を強化するために2015年から始まりました。
海上保安庁と政策研究大学院大学が協力して実施しており、海上保安大学校が広島県呉市にあることから中国センターで受入を行っています。

同プログラムに参加する3ヶ国5名の研修員はJICA中国と広島県立広島国際協力センターの複合施設「ひろしま国際プラザ」に滞在しています。
プラザの宿泊施設では違うプログラムに参加している研修員や近隣にある広島大学の日本人学生、留学生など様々な国の人々がともに生活しています。
一般の人も利用いただける図書館やJICAプラザ、レストラン(現在は休業中)などもあり、中国地方の国際協力、国際貢献の拠点となっています。

タイ人研修員Gornさんの研修生活

千ちゃんとGornさん

「海上保安政策プログラム」で研修を受けるタイ王国出身のWorawit Poolperm, AKA Gornさんに日本での暮らしや休日の過ごし方を聞いてみました。

■ ひろしま国際プラザ(HIP)での暮らし
<衣>
洗濯機と乾燥機があり、乾燥機はタイには無いのでとても便利です。

<食>
電子レンジ・トースター・製氷機はいつでも使えますし、キッチンを使える日には、「タイの味」を自分で調理することもあります。
オムレツやトムヤムクンを作りました
日本で柔らかくて真ん中をナイフで切るととろとろの卵が出てくるオムレツを食べて、それを自分で作ってみたかったのですが、難しかったので諦めてタイのオムレツにしました。
タイのオムレツは高温で一気に焼き上げるためクリスピーな食感です。

日本には便利なレトルト食品や便利なソースがたくさんあり、料理上手ではない私でも簡単にタイ料理や中華の麻婆豆腐、日本のすき焼きなど作ることができます。

<住>
学生生活を快適に過ごせる場所です。
お気に入りの場所は、図書館です。子供が楽しめるコンテンツが揃っています。
驚いたのは、図書館に漫画も置いてある点です。タイの図書館で漫画を置いているところはほとんどないでしょう。

海上保安大学校 食堂のお気に入りメニューはビーフカレー

海上保安大学校での授業の様子

■ Gornさんの1日
  6時30分 - 7時30分 起床・運動と軽いジョギング
  7時30分 - 8時15分 朝食
  8時15分 - 8時45分 出発準備
  8時45分 - 9時45分 海上保安大学校へ移動
 10時30分 - 12時00分 午前の授業
 12時00分 - 13時00分 昼食
 13時30分 - 16時40分 午後の授業
 17時00分 - 18時45分 ひろしま国際プラザへ移動・夕食調達
 19時00分 - 19時30分 ジョギング
 19時30分 - 20時30分 夕食
 21時30分 - 24時00分 勉強

■ Gornさんの休日
政策研究大学院大学の学位(修士)を取得するため、研究論文を書き上げるための勉強が忙しく余暇はあまりありませんが、近くのショッピングモールで買い物や食事をして過ごすこともあります。

Gornさんの印象に残る海保大での研修

スタディツアーの様子

印象的な授業は、海上保安大学校のシミュレーションセンターでのBridge Resource Management(BRM)です。
同様のシミュレーター装置をタイ海軍兵学校在学中にも使用した経験がありますが、タイで使用した装置よりも、最新で大きかったのが印象的でした。また、日本の訓練方法を知ることは大変貴重な経験となりました。
 
また、海上保安大学校練習船「こじま」に乗り込み、4日間で約3,900kmを移動したスタディツアーはとても素晴らしく、今までの人生で一番印象に残る研修でした。参加できたことに大変感謝しています。

このプログラムで受け入れたタイ人研修員のGornさんに日本の生活やタイとの違いを聞いた「研修員の声」は関連リンクよりご覧いただけます

JICAプラザでお待ちしています

JICA中国のTwitterとFacebookで千ちゃん情報を発信しています。
千ちゃんが体験する海外の様子、その国の豆知識などをご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

気軽に旅行に出られない今、千ちゃんを通じて海外の生活を感じてみるのはいかがでしょうか。