【草の根×スポーツと開発】 参加178チーム!回収したごみ1977キロ!!~スポGOMIワールドカップボリビア大会レポート ~



2025.07.01
2025年6月22日、ボリビアのサンタクルス市で、スポGOMIワールドカップボリビア国内決勝戦が実施されました!ボリビア各地の予選を勝ち抜いた37チーム、約120名が参加。雨上がりで風の強いコンディションの中、熱い熱い戦いが繰り広げられました。この戦いを勝ち抜き、頂点に立ったチームが10月29日に東京で行われる世界大会への切符を手にします。
ごみを拾って拾って・・・
もっともっと拾います・・・
スポGOMIでは、ただ単にごみを拾ってその量を競うのではなく、しっかり分別をすることも重要視されています。収集したごみは予め定められたカテゴリーごとに分別、集計し、それを得点に換算して、順位が決められます。
今回収集された807.80kgのごみは、以下のように分類されました:
① 一般ごみ:298.85kg
② リサイクルごみ(紙類、プラスチック容器、カン等):66.51kg
③ PETボトル:52.62kg
④ ガラス容器:379.41kg
⑤ タバコの吸い殻:2.962kg
⑥ ボトルキャップ:7.456kg
上記のうち、リサイクルできないごみは①一般ごみ と ⑤タバコの吸い殻 のみ。収集されたごみのうち、半分以上がリサイクルもしくは再利用が可能なごみ=「資源」だということも、とても興味深い結果です。
そして、今回の決勝戦とこれまでの地区予選を併せたスポGOMIワールドカップボリビア大会の参加チームは全部で178チームとなり、集めたごみは、なんと1977キロにもなりました!
審判が各チームの収集したごみを確認、集計します。
タバコの吸い殻は高得点!しっかり集計します。
さあ、いよいよ結果発表です・・・
最も高得点を獲得し、東京への切符を手に入れたのは・・・
サンタクルス市代表の「バングアルディア・ベルデ(緑の前衛隊)」チーム!!合計48.04kg、 8482.5ポイントを獲得しました!
優勝チームのアーロンさんは、大学に通いながら、学費や生活費を稼ぐためにタクシー運転手として働いています。ある日、アーロンさんのタクシーにスポGOMIの運営に関わるサンタクルス市の環境団体職員が乗客として乗ってきました。その職員からこのスポGOMIのことを聞いたのが全ての始まりでした。すぐにガールフレンドのヤスミンさんと従兄弟のアンドレスさんを説得してチームを編成、参加登録をしたそうです。
アーロンさん:タクシーの中で最初にトーナメントの話を聞いたときは、サッカーか何かの大会かと思いました。でもよく聞いたらごみ拾いとのこと。それなら自分にもできると思いました。優勝賞品は、最初はテレビか何かかと思っていたけど、まさか東京に行けるなんて。本当に言葉にならないほど嬉しいです。他のチームの方が集めたごみの量は多かったけど、僕たちのチームはガラス瓶や吸い殻など正しく分別したことでポイントを多く獲得できたと思います。
タクシー運転手から、一躍ボリビア代表選手となったアーロンさんは大会後あちこちのメディアでも引っ張りだこです!
優勝チームのーアーロンさん(左)とガールフレンドのヤスミンさん(中)従兄弟のアンドレスさん(右)
たくさんのロゴが、いかに多くのステークホルダーを巻き込んだイベントだったかを物語っています。
先行記事(下記リンク参照)で紹介した通り、NPO法人DIFARがJICA草の根技術協力事業の活動の一つとして、地域や学校など小さな規模からコツコツと繰り返し実施してきたスポGOMIは、今回こうして、ボリビアの広い地域を巻き込む一大イベントとなりました。今年2月にスタートし、5か月に渡って繰り広げられたボリビア国内予選には、自治体、環境関連団体、スポンサー企業等、多くのステークホルダーの参画がありました。
人々は、スポGOMIに参加することで、自分の住む街にごみが溢れていることに気づきました。
そのごみは自分たちで拾うことができると気づきました。
拾ったごみの多くは分別することでまだ使える資源になると気づきました。
自分たちの行動次第で、世界が変わると気づきました。
さあ、次は世界決戦です!!
勝ち負けに関わらず、人々の顔は満足感と達成感でいっぱいです。
スポGOMIボリビア大会のオーガナイザーとしてリーダーシップを発揮したNPO法人DIFARの瀧本里子さん。
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