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バウォール・アリユー・アリー さん

長期研修員(ナイジェリア)のインタビュー 2025年4月18日

SDGsグローバルリーダーの研修員として、広島大学 人間社会科学研究科 博士課程に在籍中のナイジェリア連邦共和国出身のBAWALLE Aliyu Aliさんに、日本での生活について教えていただきました。

2度目の来日 ~異文化交流活動、学校訪問、以前とは異なる見方も~

日本に来る前のお仕事や、日本に留学することを決めた理由を教えてください。
このプログラムに参加する前は、国家予算・経済計画省の下で運営されているナイジェリア経営開発センター(Centre for Management Development Nigeria)で主任経営開発コンサルタントとして働いていました。当センターは、ナイジェリアの人的能力開発の最高機関であり、規制機関でもあります。
私は主席経営開発コンサルタントとして、組織の研修ニーズ調査(TNA)の実施、研修内容の開発、研修セッションの実施、研修後の成果評価を専門としていました。また、経済・政策分析、財務アドバイザリーサービスも担当していました。

ABEイニシアティブとは
JICAのABEイニシアティブを通じて、2016年から2018年まで新潟にある国際大学(IUJ)に在籍し、国際開発経済学の修士号を取得しました。プログラム期間中、私は経済開発への新たなアプローチを学び、経済政策の策定と分析の能力を身につけました。
また、JICAが主催するビジネスネットワーキングイベント(例:アフリカ留学生向け、東京都内の会場にて開催! )やインターンシップでは、数多くの日本企業とネットワークを築きました。このような経験と、自分の経済知識を確かなものにし、日本の個人や企業とのネットワークを広げたいという思いが、日本での勉強を続ける動機となりました。

広島大学大学院での学習や、勉強以外でも取り組んでいることについて教えてください。
現在は、広島大学大学院人文社会科学研究科経済学専攻博士課程に在籍しています。JICAのSDGsグローバルリーダーコースを通じてこのプログラムに参加しました。
SDGsグローバルリーダーコース - JICA

角谷 快彦教授が私の研究を指導してくださっています。私の研究テーマでは、金融経済学と行動経済学に焦点を当てていて、金融リテラシー、デジタル金融リテラシー、行動バイアス、金融意思決定なども含めています。

日本に来たばかりの頃と今とでは違いはありますか?
来日するのは今回が初めてではなかったので、あらためて日本人の親しみやすさ、時間厳守、親切、仕事への愛情、清潔さを感じつつも、本音と建前を持ち、他の人たちと一致する発言をするといった画一的な社会でもあるという、日本に対する私の見方も強まりました。
広島平和記念公園を訪れたことで、第二次世界大戦に対する理解が変わり、地政学的・経済的な問題に対する世界的な協力の必要性が浮き彫りになりました。

日本での最高の瞬間は何でしたか?
角谷研究室での歓迎会、2024年度広島大学優秀学生賞の受賞、中学校訪問、日本人の友人との交流、異文化交流活動への参加など、日本での思い出深い出来事がありました。

日本滞在中に日本人と交流することはありましたか?
地元の人たちと会う機会も何度かありました。先生方や他の留学生と一緒に、料理や言葉、他の国との文化の違いなど、日本文化について話し合うこともしばしばありました。このような交流は、日本人が外国人を受け入れ、言葉を学び、孤独を乗り越え、快適に生活するために協力してくれることを理解するのに役立ちました。

東広島市での普段の生活などについて教えてください。
広島のお好み焼き、子どもたちの学校訪問、温泉は最高でした。角谷教授や研究室のメンバーとの交流は、とても楽しく、モチベーションが上がりました。一緒にゲームをしたり、観光に行ったりしました。彼の指導スタイルのおかげで、査読付き学術誌に論文を発表することができました。

ナイジェリアはアフリカで最も人口の多い国であるだけでなく、アフリカ大陸最大の経済大国でもあります。若々しい人口、豊かな耕地、そして広大な鉱物資源を誇る国です。ナイジェリアの人々は起業家精神に溢れ、高い投資収益が期待できることで有名です。日本の投資家の皆様におかれましては、ナイジェリアの豊かなビジネスチャンスにぜひご期待ください。

(2026年9月末の)卒業後、日本で学んだことを仕事にどのように活かしていきたいと思いますか。また、日本のコミュニティや人々と連絡を取り合う予定はありますか?
経営コンサルタントおよびトレーナーとして、卒業後は経営開発センターで自分の専門知識を生かし、より広いコミュニティの成長と利益に貢献することを目指しています。ABEイニシアチブの卒業生であり、カケハシ・アフリカ・ナイジェリア(KANI)の前会長でもある私は、日本人との強い絆を維持し、ナイジェリアで事業を展開している、あるいは投資を計画、検討している日本企業を支援するつもりです。

KAKEHASHI Africa Nigeria(KANI)について - JICA
KANIはナイジェリアにいるABEイニシアチブの卒業生で構成される組織で、日本とナイジェリアの経済的・社会的協力関係の強化に尽力しています。
卒業後は、日本で得た知識と経験を、自分のキャリアと起業支援の仕事、両方に活かすつもりです。今年の4月からは、アフリカ市場への進出を目指す企業での6カ月のインターンシップに参加します。大学院で学んだことを実践する機会をいただけて、とても楽しみで興奮しています。

Message to future JICA participants.
As a JICA participant, you represent your country and have the responsibility to be a commendable ambassador. Embrace the objectives of your scholarship and develop a clear plan to achieve them effectively. 

これからのJICA 参加者へのメッセージです。
JICA参加者として、あなたは国を代表し、立派な大使となる責任があります。奨学金の目的を受け入れ、それを効果的に達成するための明確な計画を立てましょう。