【出前講座 実施レポート】「異文化理解」まずは自分を知り、一緒に考えること

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2023.11.09

プロフェッショナルセミナー テーマは「異文化理解」

11月9日(木)、島根県立出雲高等学校1年生の「プロフェッショナルセミナー」で、JICA海外協力隊としてガーナで活動した田川志織さんが講師として「国際問題」のクラスを担当しました。
このセミナーは、大学、企業、行政、地元団体等で活動する人の話を聞き、今後の進路選択や探求学習につなげていきます。今回、このクラスを選択したのは、33名の生徒のみなさん。前半、後半と日にちを分けて実施するクラスで、前半である今日のメインテーマは、国際問題を学ぶ上で必要となる「異文化理解」です。

日本でイメージされるガーナと実際のガーナ。自身の関心事を仕事につなげるために

はじめに田川さんが活動していたガーナや、帰国後の進学先であったイギリスについてのイメージを生徒のみなさんに考えてもらいました。そこから、日本でイメージされるガーナと実際のガーナは全てが同じではないこと、また、地方と都市部は大きな格差や、学校への入学率と卒業率の差について、ガーナの課題に触れながら説明を進めていきます。
また、田川さんのこれまでのキャリアについてのお話も聞きました。高校卒業後の進路を選択する段階で、自分がどの道を進もうと考えた時、世界では紛争が起こっていることが胸に引っかかり、国際協力に関わる仕事に就くために進路を選択してきたそうです。ガーナから帰国後は、自身の関心ごとをノートに洗い出し、社会の中で脆弱な立場である子どもたちの命を守りたいという思いから、イギリスの大学院へ進学されました。参加した生徒のみなさんは、そんな田川さんの生き方を、自身の今後の進路や関心分野と照らしあわせながら聞いていきました。

人間は偏見があるものと知り、他者の声に耳を傾けること

後半は、異なる文化と出会った時の自身の行動や思いを模擬体験し、思い込みや偏見を持っていることに気付くカードゲームを行いました。その後、田川さんが出会った日本と異なるガーナの文化をケーススタディとして、自分の文化を主張するのか協力するのか、グループの中で意見交換を行いました。
「自分たちの文化を受け入れてもらえるとは思えないから、自分の考えは出張しない。」
「自分たちは生まれた時から持っている文化が当たり前なので、相手の文化そのままを受け入れない。」
その人自身や、その状況によって異なる答えを共有し、他の人の意見に耳を傾けました。

最後に田川さんが伝えたのは、「異文化理解は、正解や不正解があるわけではなく万能な方程式はない。それに直面したときに考えることが大切。」という言葉。これは私たちが普段、他人と関わる中でも大切な考え方なのかもしれません。
今日のクラスがきっかけとなり、みなさんの進路選択の幅が広がっていくと嬉しいです。

異文化に出会った時の対応についてグループで意見交換している様子

カードゲームについて説明している田川さん

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