【出前講座 実施レポート】国際交流のススメ -日出づる国と日沈む国 モロッコ-
2023.12.01
11月29日(水)、岡山大学教育学部付属中学校3年生の総合的な学習の時間で、JICA海外協力隊として2019年からモロッコの職業訓練校で活動された眞野健太さんが、講師としてご講演されました。
まずは、眞野さんがこれまで訪問したことのある国を、地図と国旗を見ながら当てるクイズです。「あ!この国旗見たことある!どこだっけ!?」と悩みながら、生徒のみなさんが答えていき、眞野さんがそれぞれの国の魅力について紹介していきます。今日はその中で、眞野さんが活動されていたモロッコについてお話しいただきます。
モロッコの正式名所は「マグリブの王国」。マグリブとは「日が没する地」という意味があり、そんなモロッコと、日出づる国と言われる日本がつながっている感覚が好きだという眞野さん。
モロッコではPCインストラクターとして職業訓練校でパソコンの授業を担当、また授業で使用する教材の作成等、活動されていたそうです。そして、実はモロッコは日本好きな人が多く、日本文化を紹介するイベント等も開催していたとのこと。その中でも、モロッコ人の名前を漢字で書いてあげると喜ぶ、という話に、生徒たちから「へー!」という反応が聞こえてきます。
また、色彩豊かな街を歩きながら撮影した動画を見ながら「柄の服が少ない?」「靴屋さんが多い?」と、日本と異なる部分を生徒のみなさんそれぞれの視点で探していきました。
実はモロッコでは、道路の標識や建物や電車の電光掲示板は、アラビア語、ベルベル語、フランス語での表記であり、英語での表記を見る機会はほとんどないという話に、普段英語を勉強している生徒のみなさんは驚いた様子でした。
街に漂うスパイスの香り、毎日鳴り響くアザーンの懐かしさ、街ごとに異なるテーマカラー、金曜日のお昼に家族が集まってクスクスを食べる習慣、大好きだった1つ12円くらいのドーナツ、安く手に入るさくらんぼやいちご、最高に美味しい絞りたてのオレンジジュース…。まるでモロッコを旅行しているような気持ちで、眞野さんのお話を聞いていきます。
後半は、イスラム教についてです。他国の文化を理解することの大切さを宗教から学んだという眞野さん。
イスラム教のあいさつ「アッサラームアライクム」の意味、礼拝アザーン、断食。「羊犠牲祭」は、残酷のようでも食べ物をいただくありがたさや、友人家族とわかちあう喜びを分かちあえる大切な行事だというお話を聞きながら、日本にいると理解できなかった、生活の中で当たり前に大切にしている宗教の存在について考えました。
最後に眞野さんから、「日本のいいところも悪いところも海外にいってはじめて気づく。これから将来について選択していく中学3年生のみなさん、これから将来に向かって進む中で、いろんな国の人たちと直接触れ、少しの勇気と“インシャーラ―(神が望むなら)”で、これからの人生を歩んでほしい」というメッセージで講演は終了しました。
講演終了後、生徒代表が眞野さんにこんなメッセージをくれました。
「今回のお話を聞いて、サポートする方たちはただ技術を提供しているわけではなく、現地の人からの信頼を受け取っているのだと考えました。相手のためにという意識だけでなく、自分のためになっている双方向なのだと、今回のお話を受け取りました」
実は眞野さんは、新型コロナウィルスの影響で、緊急日本に帰国することになり、活動していた人にも挨拶出来ずに帰国せざるを得なかったそうです。けれど、きっとこうして岡山大学教育学部付属中学校3年生のみなさんが受け取ってくれた眞野さんのメッセージは、きっと眞野さんがモロッコで出会った人たちへの恩返しにつながっているのだと感じます。
岡山大学教育学部付属中学校3年生のみなさん、先生方、ありがとうございました!
生徒のみなさんへJICA海外協力隊の説明をしている様子
モロッコについて紹介している様子
scroll