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関西で頑張る!一時帰国中の海外協力隊を紹介します-Part12-【大阪府】

東成区の出身小学校でのボランティア活動を通して考えた、日本のインクルーシブ教育

はじめまして、私はジャマイカに派遣されておりました永村夏美(2018年度4次隊、環境教育)と申します。コロナウイルスの影響で派遣先のジャマイカから3月24日に一時帰国となり、現在は特別登録制度(注)を選び、JICA海外協力隊の再派遣が実現する日を待っています。ジャマイカでは環境教育隊員として、学校巡回をしてリサイクル工作を教えるなどの活動を行っていました。

JICA関西と大阪市東成区長の繋がりで実現した今回の小学校でのボランティア活動。3日間という短い期間でしたが、母校での活動が実現しました。小学校では主に、「なかよし学級」所属の生徒(知的に障がいがあったり、学習障がいや発達障がいがあるお子さん)のサポート要員として活動し、たちまち愛くるしい子供たちの虜になりました。

各クラスに4~5名在籍する「なかよし」学級の生徒の多さに驚きました。わたしが在学していた約30年前は、障がいがある子供というのは学年に1人か2人でしたから、これは大きな変化です。障害者の自立支援の仕事をしてきた私は、障がい当事者たちが「重い障害があっても地域で当たり前に暮らしたい」という想いから、大阪府や市、教育委員会への交渉など、さまざまな運動をしているのを垣間見てきたので、その頑張りが現場に反映されていることに感動を覚えました。

一方で、現場でのインクルーシブ教育における課題も見えました。様々な障がいや生きづらさを持つ生徒への合理的配慮が求められますが、教員や支援員の数が十分では無いと感じる場面がありました。通常学級と特別支援学級が別々にクラス編制される制度には違和感を覚えます。重い障害があっても他の生徒と共に学ぶための仕組みの改良が必要だと感じました。

わたしは、子供たちのいきいきとした活動、先生たちの頑張りを見て、自身が生まれ育った地域で育つことの大切さを再認識し、今後も地域の学校とのつながりを持ち続けられるような活動を考えたいと思っています。このような機会をくださったことに心より感謝申し上げます。

(注)2020年7月末で一旦、JICAとの派遣合意書は契約解除となるが、コロナウイルスの蔓延状況などを鑑みて青年海外協力隊の派遣が可能と判断されれば再派遣となるように登録する制度。

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行政機関が主催する地域の小規模起業家を応援するイベントで出店した時の写真。環境教育授業で使う材料などの費用を捻出するためファンドレイジングにも力を入れていた。