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奈良県開発教育ワークショップ第2弾「一歩前へ!~わたしが見つけた多文化共生~」in橿原市【講師:丸山まり子さん】

2023.08.15

7月23日に奈良県橿原市で、多文化共生を身近に感じて頂けるような開発教育ワークショップを開催しました!

参加型ワークショップならではの手法が凝らされ、世界の現状を読み解きながら、参加者同士でも活発な意見交換がなされました。丸山講師のお話を聞いて、多文化共生を「体感」することで、参加者のみなさんが課題解決に向けての一歩を踏み出すきっかけとなったことと思います。

様々なワークを通して、活発に議論

丸山講師による進行で、参加者のみなさんには主に以下の内容を体験いただきました。

【アイスブレイク「ビンゴでインタビュー」】
クイズを行いながら、相手のことを知り参加者と交流していくアイスブレイク。訪れたことのある国・出会った外国人など、参加者の方々で、経験を共有しました。初対面でも、皆さんすぐに和やかな雰囲気となり、和気あいあいと交流していました。


クイズで身近な国際経験を共有

【クイズ「日本で暮らす外国人」】
在留外国人の登録推移のグラフを見ながら、グラフ内の国名を当てるクイズを行い、グループごとで話し合いました。その際、「1989年:入管法改正(90年施行)」や「1993年:技能実習制度開始」等のヒントから、ベトナムやペルーなど6か国に絞られた国名をもとに推察しました。
他にも「日本には外国人の方が何人住んでいるでしょう?」等、講師から様々なクイズが出題され、アジアから来日した技能実習生のお話、また移民として海を渡った日系人の歴史についてなど、幅広く解説して頂きました。

丸山講師の講義の様子

【シミュレーション「一歩前へすすめ」】
住んでいる国・年齢・住環境などを設定し、その人になりきって他者との違いを体感するシミュレーションゲームを行いました。参加者は「あなたは27歳で、ネパール出身で、日本語学校に通っています。」や「あなたは21歳で、大学のインテリアの勉強をしています。」など多種多様な設定が書かれたカードを渡され、その設定になりきって質問に答えます。「あなたは生活する為に、十分なお金がありますか?」、「あなたのまわりの人たちは、あなたの意見やあなたに関する重要な決定について、尊重してくれますか?」などの質問に対して、「はい」と答える度に一歩前へ進みます。最初は同じスタート地点でありながら、質問への回答を進めるうちに、他者との進む距離に開きが出てきます。最終的に他者と自分が進んだ差を比べる事で、各人の置かれた環境によって生活に違いが生じる事を知り、ひいては多文化への気付きを促すゲームでした。参加者からは「想像したより、かなり前へ進んだ。」「想像したより、前へ進めなかった。」など様々な、コメントを頂きました。

シミュレーションの様子(多文化共生を実感)

【となりの外国人の声を聴こう」】
講師が実際に出会った県内在住の外国人へインタビューした内容をグループごとに読みました。韓国、ペルー、イラン、ベトナム、ネパールにルーツを持つ5人の事例から、その人が困っている事を考え、その解決方法が何かをグループごとに話し合いました。事例を読み込むごとに、ビザや国籍のことなど考えさせられる場面が多くありました。参加者からは「自分がビザの事をまだまだ知らないと気付きました!」とコメントがあり、新しい発見が生まれていたようでした。

グループワークの様子(外国人と出会ったときに、どんなサポートができるか考えた)

【アクションプランを作ろう】
「私たちに何が出来るか?」、「奈良で何か出来ることは無いか?」などグループで相談しました。ある参加者からはご本人が活動している子ども食堂の取組みの紹介があり、あるグループでは「偏りなく、多様な人の考えを知りたい」、「多様な人と一緒に考えたい」、「雇用者側の人の意見を聞きたい」など、参加者自身の知見をシェアしながら、とても自由な意見が出ていました。グループごとに活発な議論が進み、「時間が足りない…。」という嬉しいご意見も!イベントを通じて、多文化共生の学びが深まり、素敵なプランがたくさん生まれていました。

外国人受入れを巡る様々な意見が書かれたカードも見ながら、アクションプランに向けた活発な議論がされました。

【ふりかえり】
イベント全体を通しての感想や気付きを共有しました。また講師の先生からも補足説明などを頂き、多文化共生について
一歩前へ進む機会となりました。

アンケートでは参加者の満足度が高く、以下のようなコメントをいただきました。
●自分の身近な所にも、見えにくくても困っている人たちが居るのではないかと意識を持つことが出来ました。
●日本にいる外国籍の方の現状が、資料やワークショップを通じてよく分かりました。
●グループの方とお話して、知らない事が多く、勉強になりました。
●日本にいる外国籍の方の現状が、資料やワークショップでよく分かりました。
●自分の身近なところにも、見えにくくても困っている人達がいるのではないか、という意識を持つことが出来ました。

講師の方からの解説では様々な資料のご紹介がありました。

各グループでは、様々な意見が交換されました。

このワークショップは、「奈良県開発教育シリーズ」として4回開催します。

9月には、開発教育ワークショップ第3弾を「だれが未来を決めるのか?~体験的に学ぶ世界の今~」と題して、
「地球市民フォーラムなら」の西上講師をお迎えして開催予定です。

また、JICA関西と「地球市民フォーラムなら」は、毎年1回「国際教育入門セミナー」を企画・運営しており、
本年2月に橿原市で開催した「国際教育入門セミナー2023 in 奈良」では、「食と気候危機」をテーマに開催しました。

この「国際教育入門セミナー」は、今年度も2024年2月に開催予定です。広報は年明け頃に開始いたしますので、
ぜひJICA関西のウェブサイトをご確認ください。

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