「中央アジア地域広域観光開発政策」コースの研修員代表スピーチをご紹介
2023.11.30
和歌山大学とのパートナーシップのもと、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの中央アジア5か国の観光業に携わる10名(各国2名)の参加者を迎え、JICA課題別研修「中央アジア地域広域観光開発政策」コースを実施しました。本コースでは、5か国を一つの地域として捉え、熊野古道や高野山などの取組みを事例として、具体的な広域観光開発促進へ発展させるための観光誘致戦略・文化歴史遺産の保全・人材育成に焦点を当てた学びの場を設けました。
初年度の今年は9月4日からオンライン研修、10月11日から10月31日まで来日研修を実施しました。講義や討論はもちろん、和歌山県でのフィールドワークや大阪で実施された「ツーリズムEXPOジャパン2023」への参加など来日ならではのプログラムを実施しました。
10月31日に行われた閉講式では研修員代表のダニエルさん(カザフスタン)より素敵なスピーチを頂きましたのでご紹介します。
JICAと和歌山大学の皆様、
私たちの研修プログラムの参加者全員を代表して、また個人的にも感謝の意を表したいと思います!
約一ヶ月の日本滞在で私たちが受けたものを言葉にするのは難しいです。かけがえのない経験と知識、日本の宝にも匹敵する無限のおもてなし!
最も印象的だったのは、私たちの国を助けたいという皆さんの純粋な気持ちでした。時には、日本で学んだこと以上に、もっと日本人から学ぶ必要があると感じました。このような親切さ、オープンさ、親しみやすさ!この雰囲気が私たちをひとつにしました。
まるで高野山や熊野古道の聖なる道を旅しているようでした。そこでは異なる文化が調和して絡み合い、私たちは巡礼者のように、一歩一歩豊かになりながら、互いの交流の仕方を学びました。
皆さまの限りないおもてなしは、私たちにとって花咲く庭のようであり、それぞれの花が文化や知識の新たな側面を表していました。一瞬一瞬が美と尊敬で満たされた桜祭りのような滞在になりました。
昨日、「ここでの最高の知識は日本語で提供されている」という表現を耳にしました。その瞬間、私たちが理解できる言語に翻訳するために、皆様がどれほどの努力をされてきたかを実感しました。それはまるで、お茶の葉の一枚一枚に叡智の風味が含まれるように、注意深く茶畑の手入れをする庭師のようでした。
同時に、私はこの言葉を別の言い方をしたいと思います。「最高の知識は、おもてなしの言葉で伝えられる」。初日から、すべての移動、すべてのDMO
※
(Destination Management Organization)、ルート、現場で、私たちは蓄積された経験を伝え、助けたいという真摯な思いを感じました。
教授陣、講師陣、組織、チーム全員に深く感謝します!皆さんは私たちにとって、観光の小道を案内してくれるガイドのような存在であり、一瞬一瞬が冒険であり、毎回の授業が新しい知識の発見でした。
これはとても価値のあることで、どの国でもできることではありません。日本は私たちを文化、歴史、自然、経済、そして最も重要な「人」、つまり皆さまに夢中にさせてくれました!
すでに大阪で言ったことですが、もう一度言いたいです。「私たちはあなた方の知識と経験を求めてここに来たのですが、同時に友人も見つけました!」
本当にありがとうございました!
(研修員代表 ダニエル)
JICA関西としては、参加者の皆さんが課題別研修での学びはもちろん、5か国間での協働の必要性、そして今回のプログラムで生まれた日本側関係者も含めたチームワークを帰国後も大切にし、各国での課題解決や今後の5か国広域観光開発にとって重要なアクターとなってくれることに期待しています。
来年度以降も、和歌山大学と協力し、より良い研修プログラムを実施するために取り組んでまいります。
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