奈良県開発教育ワークショップ第3弾「だれが未来を決めるのか?~体験的に学ぶ世界の今~」in橿原市【講師:西上壽一さん】

2023.09.20

JICA関西は、9月3日に奈良県橿原市で、平和について体験的に学び考える開発教育ワークショップを開催しました!
音や映像も交えて参加型ワークショップならではの手法が凝らされ、参加者同士で活発な意見交換がされました。西上講師のお話や参加者の発表を聞いて、参加者のみなさんが改めて日々の暮らしの尊さを実感し、平和を作り続けるための行動を意識していただければ嬉しいです。

一人一人が平和構築に向けて、どのような取り組みができるか考えました。

参加型ワークショップの内容

西上講師による進行で、参加者のみなさんには主に以下の内容を体験いただきました。
【アイスブレイク「握手で自己紹介」】
握手をしてギュッギュッと強く握る回数が同じであれば「平和を感じる時がいつ」かを相手に伝えます。違っていれば、再度チャレンジ。自分が握った回数が1・2で、相手が1・2・3だったりしたら、もう一度。一回でタイミングが合う方もいれば、何度も繰り返す方もいて、一気に打ち解けていました。

握手してタイミングが合うかチャレンジ!

【シミュレーション1「逃げる」】
部屋中に銃声が鳴り響き、置かれた状況の説明を受けました。グループメンバーで家族構成を考えていただき、難民として国外へ避難することになれば、手持ちのカバン2つに何を詰めて逃げるのか話し合いました。ワークを進めていくと状況が変化して、3分以内にカバン1つに荷物をまとめ直すことが指示されました。また、国境を越えるために何が必要か考え、国境警備隊へ提出しました。命からがら国外へ逃げ出せたとしても、残りの荷物と身一つでどうやって暮らしていくのか想像を膨らませることができました。参加者は「出国したときの焦りや国境を越えるために渡された資料の文字が読めない焦りがあり、不安だった。ちょっとイライラする感じもあった。」、「今回は荷物のカードを選べて持って行けたけど、実際は着の身着のままだから、この状態でどう過ごしていけばいいのか分からない。少し実感できた。」というような感想を述べられていました


持ち物カードから何を持って逃げるか、グループ(家族)で話し合いました。

【クイズ「部屋の四隅」】
難民についてのクイズを行い、部屋の四隅に解答を置いて正解だと思う内容を選択していただきました。質問では「世界の難民の数は?」や「難民は日本に毎年何人くらい来る?」等があり、ご自身の予想と違っていることに驚く方もちらほら。過去から現在にかけて難民の数が増え続けている現状と、日本国内における難民認定数の少なさが紹介されました。

なぜその選択をされたか、参加者の意見を聞きました。

【マッチングカード「ふるさとの味」】
難民として日本に暮らす方の情報が書かれた3枚のカード。そこには、ふるさとの料理・国の情報・当事者の情報が書かれています。4つの事例をグループで読み合いマッチングしました。その後は、マッチングカードに載っていたネパール人として初めて難民認定を受けられた方のメッセージ動画で、「外国人も人間だから温かい心で迎えて欲しい。だれも難民になりたくない。ただ、本当に困っている人とそうでない人とがいるので、しっかり調べて本当に困っている人を助けて欲しい。世界で、学校で、難民のことを勉強してらえたら良いなと考えています。」とコメントされていたことが印象的でした。

配られたカードの情報を共有し合う様子。

【シミュレーション2「あなたの運命は?」】
冒頭は沖縄にまつわるクイズ。その後は、西上講師が戦時中の沖縄をイメージしてもらうような言葉がけを行い、参加者が大小それぞれのガマをご自身で選択していきました。「誰と一緒に逃げるのか」という選択では、圧倒的に「お母さん」を選ぶ方が多かったです。それぞれの選択がどのような未来を辿るのか、沖縄戦で起こった状況と重ねて追体験しました。最後は沖縄全戦没者追悼式で発表された方の言葉が紹介され、平和は不確かで脆く崩れやすいことや先人たちが紡いだ平和を私たちも紡いでいこうという強い決意の表れを知りました。

選択によって参加者自身に起こる未来の結末が異なりました。

【アクションプラン「平和をつくる」】
ワークショップ全体を通して参加者自身が考える平和のつくり方をグループで共有しました。グループで出た意見は様々で、「当たり前を大切にする」、「決断を人任せにしない」、「他国のイメージを決めつけない」、「何が正しさか考え続ける」、「歴史を正しく知り事実を知る」、「現在の正しい情報を選択する」、「選挙へ行き平和をつくる政治家を選ぶ」、「報道を鵜呑みにしない」、「修学旅行先に広島・長崎・沖縄を選択肢に入れる」、「安心して暮らせる雇用・医療をつくり権利を守る」などが書き起こされました。最後はグループごとに発表を行いました。

個々人の考えを書き出しグループで話し合いました。

【まとめ】
最後に、西上講師から平和をつくるアクションを起こしている方々の紹介があり、そのうちの1人は、核廃絶と地球環境問題をつなげる横断的な活動と以下のような力強いメッセージを発信されていると教えていただきました。「核の問題も気候危機もつながっている。平和な未来を作るために自分の周りで起きることは地球規模でも起きていることだと思うから、まずは自分の周りを平和にしていくことが必要だ」と。

参加者アンケートの声

アンケートでは参加者の満足度が高く、以下のようなコメントをいただきました。

●世界中で苦しむ難民の方のことや、日本にも難民の方がいること、そして沖縄での集団自決など、身近でないようで身近なことを、体験的に学ぶことができた。
●参加型のワークショップで、対話や体を動かして体験することができたのがよかった。特に逃げるワークショップは銃声に恐怖を感じたり、読めない文字に絶望したり、文章を読むだけでは想像しづらい部分が実感できたのが印象的でした。

西上講師から様々な資料のご紹介がありました。

●内容的に小学校でも早速子どもたちに伝えていきたいと思えました。
●学校の平和学習を充実させたいと思い、今回の研修に参加しました。体験型の学習をしたいと考えていたのでまさに今回の研修はぴったりでした。
●銃弾の音が印象的でした。自分事として、生まれてこの方、聞いた事がなかったと気づきました。
●難民についても、平和についても「誰かの声」が紹介されていたことが印象に残りました。
●名古屋に住む難民の方の動画を見て学べたことが良かったです。
●家族で逃げるとなった時にどうするのか、普段考えないことを改めて考えることができて良かったです。
●難民体験やガマ体験で緊迫した状況を想像しながら選択を迫られたことが印象に残りました。
●自分が実際に難民になったら、沖縄戦で逃げたらと自分ごととして皆さんで考えられました。

●難民の体験や沖縄戦のお話を通して、まだまだ自分は知らないことが多いと感じました。特に「逃げる」の最後で自分たちの荷物がどんどん減っていき、終わりが見えない中で生活していかないといけない厳しさを知り、ニュースとかでは見ていても本当の厳しさや辛さを全然理解できていなかったのだと痛感しました。

和やかな雰囲気の中、各グループで様々な意見が交換されました。

お知らせ

このワークショップは、「奈良県開発教育シリーズ」として4回開催します。
11月には、開発教育ワークショップ第4弾を「国際協力<開発と援助>について考える そして、その先へ・・・」と題して、「関西NGO協議会 / 開発教育協会」の岩﨑講師をお迎えして開催予定です。
また、JICA関西と「地球市民フォーラムなら」は、毎年1回「国際教育入門セミナー」を企画・運営しており、本年2月に橿原市で開催した「国際教育入門セミナー2023 in 奈良」では、「食と気候危機」と題して開催しました。
この「国際教育入門セミナー」は、今年度も2024年2月17日(土)に開催予定です。広報は年明け頃に開始いたしますので、ぜひJICA関西のウェブサイトをご確認ください。

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