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2023年度JICA関西教師海外研修報告会 ーペルーでの経験を日本の教育へー

2024.02.16

2024年2月4日、JICA関西がペルーを対象に実施した教師海外研修の報告会をました。報告会に参加したJICA関西インターン生から、その様子をお届けします。

会場には約70名の方々が来場

教師海外研修とは

JICA関西の教師海外研修は、関西2府4県の教職員を対象に、実際に開発途上国を訪問し、帰国後、その経験や学びを活かした授業実践等を通じて次世代を担う生徒の教育に役立ててもらうことを目的として実施しています。

2023年度は日本との国交樹立150周年を迎えた南米・ペルー共和国へ、小学校・中学校・高校の教員の皆さん11名が8月に訪問して海外研修が行われました。今回、その結果を踏まえ、大阪・梅田で行われたワン・ワールド・フェスティバルのセミナーの一環として、研修の様子や帰国後の授業実践を紹介する報告会を実施したものです。

報告会内容

報告会は前半・後半の2部構成で行われ、まず前半には参加した先生方から海外研修内容についての報告がありました。
今回の研修は、大きく3つのテーマに基づき行程が組まれました。1つ目のテーマ「多文化共生」ではペルー日系人協会や日系学校を、2つ目のテーマ「防災」では日本・ペルー地震防災センター(CISMID)やJICA防災プロジェクトの実施校をそれぞれ訪問し、3つ目のテーマ「文化理解」ではホームビジットや旧市街視察等を行いました。現地の子どもや先生との交流、山間の経済的な課題を抱える地域への訪問等を通じて、「単なる旅行ではできない経験・出会いがあった」、「(世界に対して)自分にできることを考えさせられる深い旅になった」、「帰って日本の子供たちに伝えたいと思った」という先生方の言葉が印象的でした。

続く後半では、帰国後の各校での授業実践の様子が語られました。授業は、総合的な学習の時間・英語・生活・道徳等の様々な教科の中で、生徒の学年に合わせて行われました。ペルーの写真を使って「満たされる」ことについて考える授業、ペルーの楽器や遊びを体験する授業、ペルーの「良さ」と「課題」の両面について考えた後、日本・友達・自分についても「良さ」と「課題」の両方から改めて考える授業等、先生方のペルーでの経験と工夫が詰まったものとなっており、発表からは授業を受ける児童・生徒の楽しそうな様子が伝わってきました。

報告会に参加して

ペルーで様々な経験を積まれた先生方の実践授業は、海外と日本の比較や多文化理解促進にとどまらず、授業を通じて「同じ国に住んでいても、同じ民族であっても、1人1人違いがあること」への気づきを促したり、「物事を一面だけで評価でせず、多角的にみること」の重要性を伝えたりと、様々な目的によって実施されたものでした。授業を経て、児童・生徒の皆さんも今までもっていた自身の考え方を振り返る機会になったのではないでしょうか。
インターンを始めてから、「学校の先生が協力隊のOB・OGだった」、「海外経験のある先生から、現地での生活について教わった」等、学校の授業や先生がきっかけで国際協力に興味をもったという声を度々耳にしました。研修に参加された先生方を通じて、これから1人でも多くの児童・生徒の皆さんが海外に興味をもってくれることを願います。

(JICA関西・市民参加協力課インターン生 大曽根 葵)

※2024年度の教師海外研修は、2024年4月以降にJICA関西ウェブサイトで募集開始予定です。

参考リンク

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