第5回関西SDGsユースアクション2023「JICA関西ベストグローバリスト賞」決定!

2024.04.19

SDGsの達成に向けた若者の優れたアイデアやアクションを表彰する「関西SDGsユースアクション」は、JICA関西などが事務局を務める関西SDGsプラットフォームと(公社)2025年日本国際博覧会協会が2019年から実施しています。JICA関西からは「JICA関西ベストグローバリスト賞」として開発途上国の課題解決や多文化共生に資する作品を選出・表彰しています。今回「JICA関西ベストグローバリスト賞」と「SDGsユースアクション・グランプリ」をダブル受賞した大阪府立水都国際高等学校の皆さんと作品をご紹介します。

「開発途上国の小学生の基本的計算能力向上-計算カード教材の有効性の検証-」

今回受賞したのは、開発途上国の計算能力向上にむけて計算練習不足を解決するため、日本の小学校で使用されていた計算カードを再利用するというモデルの構築を目指したアイデア・アクションです。紙の計算ドリルではなく、計算カードを使用することで、長年使用できるよう工夫されていることはもちろん、活動を通して日本の小学生が国際協力について知る機会を創出することにも取り組まれています。水都国際高校は、ケニア・ナミビア・ザンビアの各国に派遣中のJICA海外協力隊及び現地小学校と既にコネクションを持っており、各国で計算力テストを実施しました。特に、ザンビアでは1ヶ月間の計算カードの使用状況や活用方法についてオンラインでインタビューや意見交換を実施するなど、開発途上国の課題解決に資する実現可能性が高いことも評価されました。
また、今後日本とアフリカそれぞれの小学校との連携の深化や、SDGsに協賛する企業や団体、更に教育分野の協力隊との連携の可能性もある等、今後の活動にも期待ができる作品です。
(こちら→「関連リンク:第5回関西SDGsユースアクション2023受賞作品」から作品詳細に加え発表動画もご覧いただけます。)

受賞された皆さんへインタビュー 大阪府立水都国際高等学校 2年生 アフリカの小学生×計算カードプロジェクト

中高一貫校の中学1年生から高校3年生まで様々な学年の生徒15名が所属するチームを代表して、高校2年生(2024年3月時点)の3名にお話を聞きました。
みなさんは、授業の活動の一環として先輩が設立された30チームの中から、このプロジェクトを選び、高校1年から参加されています。

ーこの問題に取り組もうと思った理由はなんですか?
当校で数あるプロジェクトの中で、自分の活動が人のためになり、直接的にその人の人生に影響を及ぼすところに、やりがいを感じそうだと思い参加しました。また活動の実績を上げるために努力し、積極性を持って活動していることや、海外の学校との連携をどのように作っていくのか学べる点も魅力の一つです。

ー活動のやりがいや、うれしかったことを教えてください。
私たちは、現地の小学校の先生や校長先生と連携しWhatsappで交流をしています。チャットだと伝わりにくいこともありますが、こちらの思いがきちんと伝わり上手く意思疎通ができたときはうれしいです。また、計算カードが現地に届き、使用されている写真を見たり、現地の話を聞いたり、計算カードを提供してくれた小学生から手紙が届いたこともあり、そうした時はとてもうれしく、計算カードの仕分け等大変な作業もありますが、喜んでもらえると苦になりません。
また、昨年の学校説明会で活動についてプレゼンを行ったところ、参加した小学3年生の男の子から計算カードと思いのこもった手紙が届き、私たちの気持ちが届いていると感じました。

活動中の様子。
下の写真が計算カードの仕分け作業中です。

ー活動において大変なことはありましたか。
時差の関係から、オンライン会議では頻繁に交流ができずチャットでのやり取りが中心となるため、しっかりと説明したつもりでも、伝わらないこともありました。計算カードの使い方は馴染みのある日本人ならわかる事ですが、使ったことが無い現地の人にはわかりません。こちらの意図を伝えるためには、少し工夫することが大切なのだと感じました。
また、現地の先生との交流で計算カードの有効性を検証するため、日本のように1クラス30人程度を想定し準備していたところ、1クラス90人の大規模であることが分かりました。国が違えば文化や常識も違うという事が分かり、意思疎通が上手くいっているか、確認しあう大切さも学びました。
こうした私たちの活動をコンテストなどで発信する際は、短い持ち時間の中でいかに伝えるかが難しいと感じています。今後は、輸送費を賄うために連携していただける企業の方への働きかけや、計算カードを提供してくれた学校に協力への感謝を伝える意味でも講演をできればと考えていることもあり、この活動を先に繋げていくためにも、想いを伝えるスキルが必要だと感じています。

ーこの活動で学んだことは何ですか?
わたしたち高校生でもSDGsの目標達成に貢献できること、遠いアフリカの学力向上に携わることができるということを学びました。
いろんな人の力が集まれば、大きなことが成し遂げられるということが、この活動を通じて良く分かり、自信につながっています。
また、協力隊の皆さんや現地の先生方とコミュニケーションをとる中で、自分がいいと思っている価値観が違っていることに気づきます。そんな経験から、活動に関係の無いところでも固定概念や偏見がある事に気が付き、物事をフラットに見られるように変わっていけたと思っています。

ー今後の活動予定や、目指していることを教えてください。
今後もより多くの生徒の計算能力向上に貢献できるよう活動していきます。計算カードの輸送費を工面するためクラウドファンディングを立ち上げたり、一時的でなく計算能力を持続させるために数か月後に検証するテストを行ったりと活動を拡大していきたいです。
また、私自身は、活動を発表するコンテストでの受賞や、展示会で新しい視点を頂く機会があり、この活動が自分自身の成長に繋がっていますが、日々の活動の中での楽しさや面白さ、役立っていることを後輩に伝えていくことが難しいと感じています。今考えていることを行動に移して、メンバーはもちろん、より多くの人にもっと知ってもらいたいと考えています。

ー日本の小学生へ何か伝えたいことはありますか?
少しだけ背伸びをしたら、自分たちでも外と繋がってできることがあります。外に目を向けると、自分にもできることがあるのだ、と気づいてほしいです。積極的にSDGs等の活動をしている団体と繋がる事で、小学生ならではの発想を引き出し、大きな活動に繋がっていくのではないかと思います。
また、計算カードを提供してもらった学校に、そのカードが現地でどのように使われ、どんな効果が出ているのか、しっかり伝えていきたいです。そうすることで、将来私たちのように途上国の支援活動に参加するきっかけになるのではないかと考えています。
今後も計算カードの回収を含め、賛同してもらえる小学校が増えるよう、活動の機会を作っていきたいです。

これからの益々の皆さんのご活躍がとても楽しみです!

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