kokoka防災訓練

2024.08.09

JICA関西は、(公財)京都市国際交流協会、(公財)京都府国際センター等との共催のもと、関西に住む在住外国人、災害時に通訳等を通じて在住外国人をサポートするボランティア「災害時外国人サポーター」及び同取組に関心のある方を対象として、2024年6月22日(土)に、京都市で防災訓練を実施しました。総勢87人(内在住外国人35人(20カ国))が参加し、防災についての知識を学ぶと共に、参加者同士のコミュニケーションなどから、日本人・外国人双方の、災害についての考え方を理解する良い機会になりました。

【第1部】体験訓練:起震車体験、初期消火、応急処置

イベントは2部構成で、第1部では日本人・外国人混合のグループに分かれ、起震車による地震の揺れ、初期消火、応急処置等を体験しました。日本語の理解が十分でない外国人参加者にはボランティアが付き添い、通訳をすることで外国人参加者の理解度向上に繋げることができました。また、災害時外国人支援においては「言葉や文化の違いによる日本人・外国人の壁」が大きな壁になり得るといわれていますが、訓練では参加者が互いに積極的なコミュニケーションを促していたおかげで、そのような壁は生じず、会場全体で相互に理解し合おうという意識が浸透していました。前半の体験訓練を通じて、日本人、外国人共に、災害時にとるべき行動や円滑なコミュニケーション方法について学びました。

AED講習

起震車体験の様子

【第2部】講演会:外国人から見た能登半島地震と日本の防災について

第2部はJICA長期研修員(※)であるレアンドロ氏(ブラジル出身、神戸大学で防災行政について研究中)が、「外国人から見た能登半島地震と日本の防災ついて」と題して講演しました。レアンドロ氏はボランティア・研究調査のため震災直後の能登半島に赴き、被災地での行政の関わりや、被災者間の助け合い等、母国であるブラジルとは異なる光景を目の当たりにしました。レアンドロ氏の能登半島滞在時の体験や、現地で感じたことを母国ブラジルとの比較等を交えて共有してもらうことで、参加者は日本の防災について改めて考える機会になりました。

レアンドロ氏による講座の様子

レアンドロ氏による講座の様子

参加者の声

訓練は日本人参加者・外国人参加者共に多くのことを学ぶ機会になりました。
参加者からは、「日本人と外国人が同じグループで研修を受けられてよかった。災害が起きたときは周りに住んでいる外国人と一緒に行動をすることになるので、日ごろから交流すべきだと感じた。(日本人参加者)」、「起震車の体験は初めてだった。実際に地震が起こった際には身動きが取れないので、事前に備えるべきだと学んだ。(外国人参加者)」、「災害時には他者との意思疎通が大事です。訓練を通じて日本語がわからない人へのサポートがあることを知り、安心に繋がった。(外国人参加者)」などの声があり、災害への備えの意識と共に、日本人・外国人の普段からのコミュニケーションの重要性についても考える機会になりました。
 JICA関西は日本人・外国人が共に安心して暮らすことのできる社会の実現を目指し、今後も関係団体と協力の上、「防災」も含めた多文化共生事業に取り組んでいきます。

(※)JICA長期研修員:受入期間が1年以上の研修員を指します。来日した研修員は、大学院に入学し、修士/博士課程を通して、母国の開発に寄与するための総合的かつ高度な技術や知識の習得を目指します。プログラムによっては、大学院在籍中または卒業後に、本邦企業等において実務研修(インターンシップ)を行う場合もあります。

対 象:在住外国人、地域市民、協会ボランティア、近畿地域国際化協会職員・ボランティア
主 催:(公財)京都市国際交流協会
共 催:(公財)京都府国際センター、JICA関西、京都市、近畿地域国際化協会連絡協議会
協 力:錦林東山学区自主防災会、錦林東山学区町内会、左京区役所地域力推進室、消防局予防部予防課、
KPIC災害時外国人サポーター、kokokaボランティア、近畿地域国際化協会職員・ボランティア

(市民参加協力課)

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