【JICAインターン生報告】廃棄物管理に関する研修に同行
2024.11.26
2024.11.26
2024年8月5日から9月14日にかけて、「固形廃棄物管理の基礎」と題した研修を実施し、エチオピア、カンボジア、スーダン、フィリピン、バヌアツ、南スーダン、レバノンの7か国から各国の環境分野の課題に取り組む7名の行政官が来日しました。研修では、適切な廃棄物管理の実践と、市民や関係者の意識向上を実現することを目標として、JICA関西が、西宮市を中心に環境教育を行っているNPO法人こども環境活動支援協会(LEAF)とともに実施しました。参加した各国の行政官たちは、廃棄物処理施設の見学や、廃棄物処理の歴史についての講義だけでなく、西宮市役所を訪れて環境教育の現場の声を聴いたり、中学生との意見交換を行うなど、幅広い内容のプログラムに取り組みました。
西宮市役所での研修に同行し、研修での学びを自国に帰ってから実践につなげるための計画(アクションプラン)の発表会、閉講式にも参加したJICAインターン生が以下報告します。
西宮市の学校教育における環境分野の取組を学ぶため、西宮市役所を訪れた研修参加者は、小学生が使用している副教材「わたしたちの西宮」の役割や西宮市でのごみ処理の教育内容について、西宮市教育委員会から説明を受けました。参加者は、ごみの分別や処理方法などについての環境教育に関心を示し、副教材の予算や学校教育への導入方法について質問していました。そして、各国の廃棄物処理に関する環境教育の現状などについて、西宮市の方も交えて意見交換が行われました。
西宮市役所での研修風景
西宮市役所での研修風景
最終日に行われたアクションプラン発表会では、参加者の方々が研修を通じて経験したことを踏まえ、帰国後に自分の職務で実践可能な計画について発表しました。質疑では各国が抱える国内事情や、環境的要因などが話題に上がり、それらの影響により計画実行に時間がかかってしまうなどの問題点も議論されました。また、発表に対するフィードバックや、帰国後、計画を実現させるための支援制度に関する質問や提案が行われ、いかにして今回の研修で得たものを自国の廃棄物分野の課題解決に活かせるか意見を交わしていました。
閉講式では、研修を終えた皆さんに修了証書が授与されました。日本国旗や各参加国の国旗が並べられており、私が研修に同行したときは、朗らかだった皆さんがプロトコルを意識して少し神妙な面持ちだったのが印象的でした。レバノンから参加された方は、日本語を勉強していた経験があり、日本語でスピーチをされていました。閉講式終了後には皆さん自国の国旗とともに撮影を行っていました。
閉講式の風景
本研修を通じて、日本では自分たちにとって「当たり前」と思っていることでも海外では異なるということを改めて知ることとなりました。廃棄物処理や環境に関する教育は私自身も小学生のころ受けた記憶があり、日常生活でも、クリーンステーションで生活ごみの回収してもらえることも「当たり前」のことと思っていました。しかし、今回参加された皆さんの研修に同行し、発表や意見に触れたことを通じ、こうした社会のシステムや教育は万国共通ではないと実感することのできた良い機会となりました。私自身もこのような日本との違いや日本の強みを、インターンシップを通じて少しでも多く経験、認識し、今後に役立てていきたいと考えています。
研修に参加された皆さんが、日本で得た経験や知識を帰国後も最大限活用し、日本を通じたつながりが今後も広がると嬉しいです。
龍谷大学国際学部国際文化学科3年 松本 調 (JICA関西 研修業務課インターン)
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