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阪神・淡路大震災から30年 兵庫が伝える「BOSAI」(上)兵庫県立舞子高校環境防災科

2024.12.06

JICAと兵庫県が防災分野の人材育成を目的として2007年に設立した国際防災研修センター(DRLC)は、世界各国の防災分野の人材を受け入れ、知見を共有する拠点としてJICA研修事業を中心に活動をしています。阪神・淡路大震災から30年という節目を迎え、かつては被災地だった兵庫の地で、人材育成の観点から世界にアウトリーチしている防災関係の団体をご紹介します。未曾有の大災害から30年を経て、災害の経験と教訓を伝える大切さや、平時から次の災害に備える意識を持つきっかけとなれば幸いです。


JICA関西が兵庫県災害医療センターと協力して20年以上にわたって実施する「中南米災害医療マネジメント研修」の一環で、中南米8か国(ボリビア、ブラジル、チリ、エルサルバドル、グアテマラ、メキシコ、ニカラグア、ペルー)から参加した保健省、医療機関や大学などの医療従事者、救命救助医師、消防士など災害医療に関わっている16名の研修員が2024年11月15日に兵庫県立舞子高校環境防災科(神戸市垂水区)を訪問しました。

独自に作成した防災教育ツールについて発表

阪神・淡路大震災が発災したのは1995年。同校の環境防災科は、阪神・淡路大震災の経験と教訓を受け継ぐ次世代の防災リーダー育成のため、2002年に全国で初めての「防災専門学科」として開設しました。

2024年現在、学んでいるのは「阪神・淡路大震災を経験していない世代」の生徒の皆さんです。実際に被災地へ赴き、被災者と語り、自分と向き合うこともあります。災害を経験していない高校生が、危機管理の現場で柔軟に対応ができるよう、日々、「自分ならどうするか?」とういうことを考え、未来の災害対応に向けて、多角的に防災について学んでいます。

中南米の研修員が訪問した日は、3年生の皆さんが様々な発表を行いました。3年間の学びの集大成として子供や高齢者向けに作成した、防災教育プログラムの説明に、災害医療の第一線で活躍する8か国16名の研修員は熱心に聞き入っていました。

生徒からの質問に答えるJICA研修員

メキシコ保健省疾病対策センター・アベルさん:
「自ら大災害の経験と教訓を学んで、未来に備えて実践しようとしている皆さんのプレゼンテーションには感銘を受けました。若い世代が防災を学ぶという取り組みが大変参考になりました。」

JICA研修員とのコミュニケーション

今回の研修で対応してくださった3年生の皆さんは、積極的に研修員とコミュニケーションを図り、質疑応答ではうなずきながらメモを取っていました。多くの生徒の皆さんが将来の夢に描いているのは、消防士や看護師など、災害の現場で活躍することだそうです。中南米で災害医療に携わる「先輩」から国境を越えた激励を受け、刺激となったことでしょう。互いに学び合い、理解を深めることで、「防災の絆」が深まった貴重な時間となりました。

集合写真は「BOSAI!」で。兵庫のBOSAIが世界とつながっていることが実感できた訪問でした。

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