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「トライやるウィーク」-中学生24人の特別な2日間、JICAの国際協力に触れて知って考えた世界と自分のこれからのこと

2025.01.29

神戸市内の中学生12校24名が、11月14、15日の2日間、兵庫県下で取り組まれている、地域に学ぶ中学生・体験活動週間「トライやる・ウィーク」(注)の一環として、JICA関西に来訪しました。

「皆さんにとって世界は近いですか?遠いですか?」
トライやるウィーク初日は、JICA関西所長から投げかけられた、世界と自分との物理的な距離や心理的な距離を尋ねる問いから始まりました。「世界と私たちの関わり」について、中学生たちは少し緊張した様子で聞いていました。
その後、いよいよ本題、「国際協力って何?」「JICAってどんなところ?」という2つの問いについて、講話と施設見学を通して学びました。次に、国際協力の現場で活動した方々の講話。「言語聴覚士」「デザイン」「サッカー」「PCインストラクター」という職種でJICA海外協力隊として派遣された経験のある3人(うち1人は「デザイン」「サッカー」という2つの別の職種で2度派遣)から、現地での活動、派遣された国のこと、また派遣前から現在までのキャリアなどを聴きました。中学生のみなさんは、講師とコミュニケーションをとりながら講話に耳を傾けていました。その後、違う学校の生徒同士で組まれたグループで、初日に学んだことをお互いに発表し意見交換を行いました。

JICA関西所長挨拶…所長からの質問に挙手で答えます

「デザイン」「サッカー」職種での活動体験談聴講風景

「言語聴覚士」としての活動体験談聴講風景

「PCインストラクター」としての活動体験談聴講風景

2日目は、1日目の学びをグループでさらに話し合い、そして、自分たちがトライやるウィークの経験をもとに「これからやってみたいこと」について考えました。その後、話し合った内容をグループごとにポスターに仕上げ、最後は発表を行いました。議論する中で、1日目は遠慮がちにコミュニケーションをとっていたみなさんも次第に打ち解けて、活発に意見を出し合いながら各グループ特色のあるポスターを仕上げ、発表することができました。

初日に、「世界との距離」が近いと思うか、遠いと思うか、という問いからスタートした今回のプログラム。世界の国のことや、国際協力の現場で活動された方のキャリアを知ることで、中学生のみなさんそれぞれが、改めて今の自分自身と世界との距離やその多様さを知り、また、将来について考える時間となったのではないでしょうか。

ポスター作成…作業分担しながら協力し合って作業中

ポスター作成

ポスター作成

(注) 阪神・淡路大震災等をきっかけとして1998年より兵庫県教育委員会が兵庫県下で実施している事業です。

中学生の感想とこれからやってみたいこと(抜粋)

(2日間の感想)
◎JICA海外協力隊の方々の体験談を聴いて、勉強が得意じゃなくても海外に出て世界で活躍できること、自分でも誰でも夢をかなえることができることを知りました。

◎協力隊の体験談では言語が話せることよりコミュニケーションが大事だということや、とりあえず一歩前に進んでみること、失敗しても挑戦し続けることで自信になること、今自分が頑張って取り組んでいることが将来につながるということなど、本当に様々なことを知ることができてよかった。世界を身近に感じるようになった気がする。

◎私はあまり話すのが得意ではなく、あまり人と関わることもしたくないという人間だったのですが、話し合いの時、会話をかわしてみると、みんな優しく、明るく接してくれて、一歩踏み出すことでこんなにも世界は変わるということを知ることができました。

◎日本と外国の現状について知ることができました。外国の中には食糧不足やインフラが整っていない国があるということを知り、そういう国を支援していかないと自分たちの生活も変わってしまうということが分かったので、お互いに支えあっていくことが大切なのだということに気付くことができました。

◎JICAのやっている国際協力は難しそうだなという印象をもっていたけれど、実際には、自分の好きなこと、やってみたいこと、経験してきたことの延長線上にあるのだなということがわかりました。


(明日から頑張りたいと思うこと、取り組みたいと思うこと)
●今まではあまりみんなの前で発言したり発表したりすることが得意ではなかったけれど、3人の協力隊経験談の中で、「最初から自信があったわけではなかったけれど、自分から意見を出したり積極的に活動することで自信を持てた」と言っていたので、そんなふうになれるように人との関わり方やコミュニケ―ションを大事にしたいです。また自分がやっていることが誰かのためになると信じて何かをしたいです。

●思うだけじゃ何も変わらない、思ったことを行動に移すことが大事、これをこの2日間で強く感じました。だから私は行動力のある人になりたいです。そのために日ごろからクラスの人や困っている人を助けてあげたいと思います。

●自分が大人になったらどんな仕事をしているか分かりませんが、今やっていることを少しでも活かせることができるといいなと思います。もう世界のことは他人事ではないので、困っている人には救いの手を差し伸べたいです。それはいつか巡り巡って自分のためになるので、今、自分ができることを全力で頑張りたいなと思いました。

●まずニュースをしっかり見ようと思います。他の国のことを知るきっかけになると思うからです。自分の好きなこと、得意なことを伸ばしていきたいです。いつかどこかで、人の役に立てる時がくるかもしれないからです。

●自分にできることを見つけて人のために行動してみたいです。日頃の勉強を大事にしたいし、いろいろな人とのコミュニケーションをとって、自分の世界や視野を広げてみたいと思いました。

制作したポスター紹介

地域に学ぶ中学生・体験活動週間「トライやる・ウィーク」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/026/007/001/006.htm

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