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外国人材を送り出す国にJICAインターンが聞きました:「日本は働きやすい国ですか?」各国の行政官へのインタビュー【前編】(ベトナム)

2025.03.19

日本で働く外国人の数は年々増加し、2024年10月時点で約230万人の外国人材が働いています。外国人も日本人も安心して働ける社会を実現するためには、人材を送り出す国と受け入れる国の間の協力が不可欠です。

JICA関西では2024年1月22日~2月5日の日程で、「経済成長とディーセントワーク実現に向けた海外就労者の送出および帰国後のキャリア開発支援に係る労働政策」をテーマにした研修プログラム (KCCP: Knowledge Co-Creation Program)を実施しました。このプログラムの目的は、海外就労に関するより良い政策や仕組みづくりを考えるために、開発途上国と日本がお互いに現状を学び合い、新たな知識を創造することです。8か国(ベトナム、インドネシア、スリランカ、ネパール、タジキスタン、マダガスカル、グアテマラ、エルサルバドル)から、海外就労者支援に関わる行政官8名が参加しました。来日中は、専門家からの講義に加えて、技能実習生や特定技能外国人が働く介護施設や病院、農業施設等を訪問しました。


外国人材を送り出す国から見て、日本はどのような国なのでしょうか。ベトナム、インドネシア、ネパールからの参加者に、JICAインターンがお話を聞きました。


ベトナム ハービーさん(Mr.Le Hoang Ha)
所属:労働・傷病兵・社会問題省 海外労働局
主な仕事内容:海外就労に関する法令の見直し、帰国後の労働者の就職支援に関する政策立案など

プログラムに参加した感想を教えてください。
「講義や視察はもちろんですが、8か国からの参加者がいたので、他の国での外国人材の送り出しについて直接事例を聞くことができて勉強になりました。また、日本での生活を通して学べたことも大きかったです。例えば、日本では時間厳守が大切なことやごみ分別をきっちり行っていることは以前から知っていましたが、実際に日本で生活してみてその意味を実感できました。」

時間の考え方やごみ分別については、日本で生活する外国人が苦労する部分でしょうか。
「そうなんです。ベトナムで「時間を守る」というと、約束の時間ちょうどに到着するイメージなのですが、日本では5分前や10分前に到着する方が多いですよね。また、公共の場では大声で話さない、といったこともベトナムの文化と違う部分です。こういった情報を、日本に働きに行く人達に伝えていくことが大事だと思いました。」

ハービーさん(ベトナム)

海外で働くベトナム人の行き先は、日本が一番多いと聞きました。(2位台湾、3位韓国:2023年時点)
「ベトナム人が海外で働くことを考えるとき、最初の候補にあがるのは日本です。日本の生活や文化がベトナム人にとって馴染みやすいということもありますし、日本への憧れがあるというのも大きな理由です。私は東日本大震災の際の日本のみなさんの対応を見て心から尊敬しました。私と同じように、多くのベトナム人が日本人の考え方や文化は素晴らしいと思っています。」

日本の介護施設や病院で働くベトナム人たちと直接話されてどう思われましたか。
「私が話した人たちは日本での暮らしに満足していました。日本で働くうえでは日本語の能力が非常に重要だと思うのですが、(日本語で試験が行われる)介護福祉士の資格を取得したベトナム人に会い、頑張って勉強したのだなと嬉しくなりました。」

今のお仕事に対する思いを教えてください。
「海外で働く人たちは国と国をつなぐ架け橋のようなものだと思っています。外国人労働者は、個人というよりも「XX国の人」というイメージでとらえられがちです。日本に働きに行くベトナム人に向けた制度や仕組みを整えることで、日本にとっても本人にとっても良い働き方ができるようになり、日本でのベトナム人のイメージが良くなればと思って仕事に取り組んでいます。」

講義の様子

インタビュー【後編】(インドネシア、ネパール)に続きます!

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