未来のリーダー「JICA留学生」が東大阪でモノづくりの心を学ぶ(2025年3月)
2025.03.27
2025.03.27
JICAは、開発途上国の将来を担う意欲と能力を持った行政官・技官らをJICA留学生(以下、留学生)として日本の大学院に受け入れており、日本の発展や開発の歴史を学び母国の発展の参考にしてもらおうと様々なプログラムを実施しています。その一環としてJICA関西では3月11日、東大阪で「モノづくりの心」や「東大阪の歴史と観光」を学ぶプログラムを開催しました。
留学生たちは、大阪モノづくり観光推進協会から東大阪の歴史や観光に関する講義を受けました。講義では、長い間受け継がれてきた「人々の生活を豊かにし、合理的にするためのモノづくり」という精神について説明がありました。留学生たちは、この精神がどのように東大阪の発展に貢献してきたのかを学び、自国と日本のモノづくりの文化の共通点や違いについて考える貴重な機会となりました。また、モノづくりを支える「人々」が地域の宝であり、その魅力を引き出す「観光」の重要性についても学びました。
大阪モノづくり観光推進協会の足立専務理事より「東大阪学講座」
真剣に聞き入るJICA留学生たち
建築金物やステンレスアートを手がける野田金属工業を訪れ、お話を聞きました。使う人のことを考えて創意工夫を凝らす職人の精神や、「量よりも個」を大切にするという企業の方針について学びました。工場内の見学も行い、留学生たちはその技術に興味津々でした。留学生からは、「母国では従業員4名ほどの家族経営が多く、技術の承継や新しい技術の導入において参考になる点が多かった。」「設計する人と工場で実際に作る人のコミュニケーションをどうやってうまくとっているのか不思議に思った。」という声が聞かれました。
山本代表取締役より創業者野田氏の生き様やモノづくりの心についての話を伺う
工場内の様々な機械について説明を受ける
最後に、留学生たちは雛人形などを手がける松よし人形を訪れました。雛まつりや端午の節句といった日本の伝統行事と人形のつながりについてのお話を伺った後、実際に手作りで人形を作る製作工程を見学しました。また、人形の着物に使われる生地で小物を作るワークショップにも参加しました。「雛人形のような伝統は私の国にもありますが、廃れてきています。伝統を現代の時代に合わせて受け継いでいくことの大切さを学びました。」「職場では音楽が流れていて、働きやすさを考えた細かな工夫がされていることに気づきました。」という声が留学生から聞かれました。
人形作りの現場を視察し、細かな作業の連続に思わずため息。
小物づくりのワークショップ。夢中になって楽しみました。
プログラム中、留学生たちは積極的に質問し、お互いの国の文化についても活発に意見交換を行っていました。帰国後は、本プログラムで得た学びを活かし、知日派・親日派のリーダーとして、自国の発展に貢献してくれることを期待しています。
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