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イベント報告:「ラオス ビジネスセミナー」開催!

2025.05.12

2025年4月22日(火)、JICA、大阪産業局、ラオス日本センター(LJI)は、ラオス人民民主共和国(以下、ラオス)へのビジネス展開にご関心のある企業の皆様を対象に「ラオス ビジネスセミナー」をオンラインで開催しました。

今年、日本との外交関係樹立70周年を迎えるラオスは、ASEAN諸国唯一の内陸国で、メコン川が育む豊かな自然環境と多様な文化を持ち、その若い労働力や親日的な国民性に日本企業が注目しつつあります。本セミナーでは、ラオスが有するビジネス面でのポテンシャルとビジネス環境をご紹介し、ラオスへのビジネス展開に繋げていただくきっかけとなることを目的として実施したものです。

セミナー冒頭の開会挨拶で大阪産業局・野村国際事業部長は、参加企業への謝意に続き、ラオスのビジネス環境に関する情報を入手することは容易ではないことから、本セミナーで得た情報が、ラオスビジネスを検討する際の参考になることを期待する旨、述べられました。

大阪産業局・野村氏の開会挨拶の様子

続いてJICAラオス事務所より「ラオスの概況およびビジネス環境概要」をご紹介しました。その中では、長期的な課題として公的債務問題がありつつも、近年、基礎的財政収支は黒字を達成し、改善傾向がみられることをご説明しました。併せて、民間直接投資においては発電・鉱業が約6割を占めること、投資ポテンシャルとして、ASEAN域内の連結性を高める道路網や鉄道等のインフラ整備が進んでいることや、水力発電による豊富な電力と再生エネルギー資源の活用が可能なことなどを挙げ、ご紹介しました。またラオスへの日本企業の進出状況について、外務省が実施した調査によると163社(2024年)の日系企業が拠点を有しており、ラオス日本商工会議所の会員数は110社(2025年2月)で、微増傾向が継続していることも紹介しました。

JICAラオス事務所の講演の様子

また、駐日ラオス人民民主共和国大使館のコマリー・トンパバン二等書記官からは「ラオスの投資機会とインセンティブ」について発表があり、その地政学的な重要性や2024年6月に発布された「改正投資奨励法(No.62/NA)」の概要の他、地域や経済特区ごとの重点投資分野が紹介され、日本企業による投資への期待が語られました。また、開幕直後の2025年大阪・関西万博に設置されたラオスパビリオンの展示についての解説もありました。

駐日ラオス大使館の講演の様子

これに続き、ラオスへのビジネス展開を進めている加山興業株式会社より経営企画室マネージャー 井上氏が登壇し、「ラオスにおける廃棄物処理事業の展開について」と題し、これまでのビジネス検討の経緯や今後の計画について発表がありました。同社は新型コロナ感染症のまん延によるラオスのロックダウンなどの影響を受けつつも、JICAや他の企業支援機関による制度を幅広く活用しながら現地法人を設立されました。廃プラスチック類の固形燃料事業化の推進を通して現地の衛生環境改善とリサイクル向上に貢献するビジネスを展開しており、更に、ラオス大学や商工省とセミナーを開催し、廃棄物に関するマニフェストの普及活動にも貢献していることが報告されました。また、ラオスからの技能実習生を積極的に受入れており、一名は現地法人で採用するなど、日本で育成された人財の還流・継続的な活躍についても説明されました。

加山興業株式会社・井上氏の講演の様子

JICA関西 センター企業連携課からは、JICAの民間企業との連携メニューとして、加山興業株式会社がラオスで活用したJICA中小企業・SDGs ビジネス支援事業(JICA Biz)に加え、JICA海外協力隊の連携派遣やJICA留学生のインターンシップ受入・採用、PARTNER(JICAのグローバル人材と企業のオンラインマッチングサイト)をご案内しました。

JICA関西の講演の様子

その後、質疑応答に続いて、JICA経済開発部民間セクター開発グループより、JICAの民間セクター開発における取り組みと日本センターについてご紹介しました。その中では、JICAの概要、およびJICAが開発途上国のビジネス環境の整備や産業人材の育成を通じて競争力を強化し、投資促進や産業振興を支援する意義や必要性をご説明しました。加えて、現在はラオスを含む7カ国で日本センター(正式名称:日本人材開発センター)への支援をしていること、日本センターがビジネス人材の育成を行うとともに、現地と日本のビジネス界関係者等を繋ぐハブとなることを目指していること(日本人材開発センター 2.0構想)についてもご紹介しました。

JICA経済開発部民間セクター開発グループの講演の様子

併せて、ラオス日本センターの関JICA専門家からは「ラオス企業経営者とのビジネス交流会、および参加企業のご案内」と題し、ラオス日本センターの取り組みの紹介に続き、5月27日に大阪市内で開催されるラオス企業経営者と日本企業とのビジネス交流会についての案内がありました。ビジネス交流会に参加するラオス企業の業種や期待を紹介し、当日の参加が呼びかけられました。

ラオス日本センターの講演の様子






最後にJICAラオス事務所の小林所長による閉会挨拶では、参加者と大阪産業局他への謝辞に続き、2025年が日本ラオス外交関係樹立70周年、JICA海外協力隊派遣60周年の記念すべき年であること、また世界で最初に協力隊が派遣されたのがラオスであることが述べられました。また5月27日にラオス企業とのビジネス交流会が開催されるにあたり、今回のセミナーをきっかけとして同交流会への参加やラオスへのビジネス進出を検討いただきたいとの期待が寄せられました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

JICAラオス事務所・小林の閉会挨拶

関連情報
● 2025年5月27日のビジネス交流会
  イベント概要
  申込フォーム(5月20日〆切)
  ラオス企業リスト

● JICA関西は、開発途上国でのビジネス展開をめざす企業の皆さまのご相談をお受けしていますので、お気軽にご連絡ください。
*ご相談窓口:JICAコラボデスク(JR大阪駅徒歩5分)
大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪(北館) ナレッジキャピタル内 コラボオフィス K709号室(開室時間:平日 9:30-17:30(祝祭日、年末年始を除く))
電話番号:06-6136-3477
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関連リンク
● 民間連携(中小企業・SDGsビジネス支援事業 (JICA Biz) 等)
● ラオス日本センター(LJI)
● 大阪産業局

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