【JICA民間連携事業の活用実績をもつ企業による展示at JICA関西 広報展示室】株式会社田中 カンボジアで排水シートを用いて災害に強いインフラ整備に貢献
2025.11.04
2025.11.04
JICA関西では、1階広報展示室において、JICA事業の活用実績をお持ちの企業様と共に開発途上国の課題解決に貢献する製品・サービスやそのビジネス展開に向けた取り組みをご紹介しています。2025年7月から12月までは、大阪・関西万博のテーマとも連動させ、株式会社田中(以下、「田中社」)の製品を通じた「いのち輝く未来をつくる 関西企業の技術」をテーマに展示やカンボジアでの事業の紹介を行っています。
● 田中社とJICA
大阪府泉大津市に本社を構える田中社は、穀類の精穀等を主な事業として1953年に設立、現在は土木工事に活用される繊維資材を製造・販売する企業です。大雨による河川氾濫の抑制や、決壊した堤防の緊急復旧など、国内の公共工事で長年培ったノウハウを海外でも活かしたいとの思いから、JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)を活用し、2020年3月からカンボジアで「既設道路の陥没の原因となる降雨浸透水を排除する機能性を有した排水シート敷設の案件化調査」を実施、続いて2023年5月から「カンボジア国降雨浸透水による道路陥没防止のための排水シート導入ビジネス化実証事業」を実施しました。
● リサイクル×防災でカンボジアに貢献
田中社は「地球環境の保全」と「自然と人間との共生」を理念に掲げ、廃棄される繊維やPET、ヤシ殻などの天然素材をリサイクルし、防災資材へと再生しています。カンボジアでは雨期に道路路肩が損傷し、交通事故の増加や道路の維持管理費の増大が課題となっているため、同社はJICA Bizを活用して地盤補強と排水機能を兼ね備えた排水シート「ジオストリーム」のビジネス展開を通じた課題解決に取り組んでいます。「ジオストリーム」の活用により道路の陥没や損傷を防ぎ、強靭で持続可能な道路盛土を整備することが可能となります。この取り組みは、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献することが想定され、今後、河川護岸や農業施設など、幅広いインフラ分野への展開も期待されます。
● 展示のみどころ
- 製品と原材料に触れてみよう -
今回の展示では田中社が製造する私たちの暮らしを守る様々な機能を持つシートとそれらの原材料に触れることができます。
原材料を実際に持ってみると、想像していたよりも重い物、フワフワとしていて触り心地が良い物など素材の違いを感じられます。
カンボジアでも導入され始めている排水シート「ジオストリーム」の原材料は何でしょうか?ぜひシートと原材料の両方を触って考えてみてください。
また、パネルでは、実施したJICA Bizの概要図や事業で貢献を目指したSDGsの各目標についての解説のほか、通常であれば廃棄される原材料がどのようにしてシートへ生まれ変わるのか、プロセスも紹介しています。JICA関西へお立ち寄りの際は、ぜひご覧ください!
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