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【開催報告】関西SDGsプラットフォーム(KSP)シンポジウム 「万博後・2030年に向けたKSPの取組み:つながる、その先へ」

2025.12.22

2025年12月3日、JICA関西が共同事務局の一員を務める関西SDGsプラットフォーム(KSP)は、大阪・関西万博開催年の締めくくりとして、またSDGs達成目標年である2030年まで残り5年を見据え、シンポジウムを開催しました。企業、大学、自治体、NGO、JICAなど約100名が参加し、活発な議論が行われました。

シンポジウムは、2017年のKSP設立以来、運営委員長を担う井上剛志氏(関西経済連合会理事・国際部長)の開会挨拶から始まりました。続いて、三澤康政府代表/特命全権大使(関西担当)の来賓挨拶では、「大阪・関西万博を契機に、関西がSDGs達成の先陣を切ること」への期待が示されました。

企画対談では、「大阪・関西万博の機運を活かし、SDGs達成目標年(2030年)に向けてKSPに期待すること」をテーマとして3名が登壇しました。JICA緒方貞子平和開発研究所の峯陽一研究所長が「気候変動や感染症などでSDGs達成は危ぶまれている。地域社会の取組みが世界を変える力になる」と強調。慶應義塾大学の川久保俊氏は、自治体の達成状況を可視化するシステムや大阪府の「私のSDGs宣言」分析を紹介し、「データだけでなく背景や促進・阻害要因を総合的に理解し、対策に結びつけることが重要」と述べました。阪急阪神ホールディングス株式会社の相良有希子氏は、同社が取り組む地域と協働する「未来のゆめ・まちプロジェクト」やSDGs認知度向上に貢献する「SDGsトレイン」を紹介しました。対談を通じ、「共創」と「次世代への継承」が重要との認識が共有されました。

左から峯研究所長、慶應大学川久保氏、阪急阪神ホールディングス相良氏。
SDGs達成に向けた国内外の動きを参考にしながら、KSPの活用方法を考える呼び水となる議論が交わされた。

続くパネル討議では、「つながる、その先へ(関西圏の持続的な発展、SDGs達成に向けて、KSP会員が実施すべき今後の取組み)」をテーマとして、これまでもSDGs達成に向けて積極的に活動し、KSPを盛り立てている7名が登壇。KSP運営委員も務める岡野嘉市氏(浜田化学株式会社代表取締役)がモデレーターを務め、関西圏/KSP会員だからこそ取組むことができる具体的アプローチ・方策等について議論が行われました。企画対談を受け、岡野氏のリードの下、KSP会員の活動を活性化し、インパクトを高めていくためには、会員間の有機的な連携が必須という共通の認識に立ち、連携を進めるにあたっての具体的な事例の紹介や直面した課題の提示がなされ、それらに対して登壇者間で活発な意見交換がなされました。

左からモデレーターを務める岡野氏と登壇者6名。会員それぞれの取組が有機的に結びついた行動・活動に発展するための具体的な方策について意見交換が行われた。

議論を踏まえ、川久保氏からは、「各地でSDGsのプラットフォームが設立されたが、KSPのように登録団体数を増やし、活動を発展させているプラットフォームはない。キーパーソンが熱意をもって活動を続けている関西地域だからこそ継続・発展が望める」との期待が示されました。峯研究所長からも、「SDGsを達成するためには、他者と連携して活動していくことが重要、共感の上に立った一人ひとりの行動変容がWell-Beingな社会を支えていくという観点から、人と人との繋がりを大切にする関西が先陣を切って、SDGsの達成のための行動を続けて欲しい」との期待が示されました。

会場からの質疑応答時には企画対談・パネル討議の登壇者全員が再度檀上へあがり対応。参加者の関心の高さが感じられる活発な質疑応答が展開された。

シンポジウム後には、参加者間の有機的つながりを深めることを目的に参加者交流会を開催し、登壇者、多くの来場者が参加しました。交流会の会場にはKSPの6分科会(環境ビジネス、食品ロス削減、教育、大学、バリアフリーマップ、兵庫部会)及びKSPが活動を紹介するブース展示を行い、分科会の担当者が、ブースに立ち寄った来場者に対して取組み内容を紹介しました。
参加した皆さんは、分科会の活動や今後の連携や協働の可能性について活発な意見交換をされていました。

分科会パネル展示を囲み、参加者同士で活発な意見交換が行われた。

今回のシンポジウムは、今後のKSPの主たる活動を「認知の浸透」から「行動促進」に移していくことの重要性を再確認し、関係者それぞれがSDGs達成に向けた行動を加速する絶好の機会となりました。KSPでは今後も、会員や関係者それぞれが有機的連携を深め、行動することにより、持続可能な社会の実現に向けた取組みを進めてまいります。

【KSPとは】2017年の設立以来、産学官民・NPOなど、約3,500の団体が参加する西日本最大のSDGs推進のためのプラットフォームです。関西の民間企業、市民社会・NPO/NGO、大学・研究機関、自治体・政府機関が協力し、すべての人々にとってSDGsの取組みが重要であることを広くアピールする「認知の浸透」とともに、各ステークホルダーの連携と協働により、関西において持続的社会の構築に向けた活動や高い社会的価値を生み出す経済活動を加速していく「行動促進」を目的として、2017年12月から活動しています。
【KSP分科会とは】SDGs達成に向けて、特定のゴール達成に貢献する8つの分科会が、社会課題の解決に向けた自発的な活動を展開しています。(関西SDGs貢献ビジネスネットワーク、SDGs環境ビジネス分科会、教育分科会「SDGsナレッジラボ」、食品ロス削減分科会「ZERO FOOD WASTE」、バリアフリーマップ分科会、大学分科会、ローカルSDGs・脱炭素分科会、ひょうごSDGs Hub)

当日の録画動画はこちらから視聴いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=mcDnONZ5gjo (関西広域連合Youtube)

関西SDGsプラットフォーム ウェブサイト
https://kansai-sdgs-platform.jp/ 

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