奈良県とアフリカの行政官がともに学ぶ 地域づくりと産業振興を考える5日間!
2026.09.07
2026年8月24日から28日までの5日間、JICA関西は奈良県と連携し、JICA留学生*3名(セネガル2名、ケニア1名)を対象に、奈良県の地方行政、産業振興、地域資源を活かした
地域づくりを学ぶプログラムを実施しました。
今回の取組は、奈良県庁として初めてとなるJICA留学生の受入れです。参加した3名はいずれも母国で行政官として勤務しており、奈良県職員や企業関係者との意見交換を通じて、地域課題への対応や産業振興施策について理解を深めました。
また、本プログラムは留学生が日本の地域づくりを学ぶだけではなく、奈良県職員や県内企業にとっても、アフリカ各国の行政現場の実情や視点に触れ、参加者同士が経験や知見を共有しながら学び合う交流の場となりました。
プログラム初日には、山下真奈良県知事を表敬訪問しました。山下県知事への表敬では、奈良県の産業振興や地域活性化の取組について活発な質問や意見交換が行われ、これから始まる5日間の学びへの期待が一段と高まりました。
奈良県庁での講義では、産業部より産業振興施策や企業誘致制度、企業支援の取組について学び、自国の制度との比較も交えながら活発な質疑応答が行われました。
その後に訪問した奈良県工業振興センターでは、県内企業への研究開発支援や技術相談、人材育成など、行政による産業支援の仕組みについて説明を受けました。
さらに、県内企業である株式会社フルックスと吉辰商店を訪問しました。品質管理や商品開発、事業の高付加価値化、伝統産業の継承に向けた工夫について話を聞き、企業が地域資源や技術を活かして新たな価値を生み出している様子を学びました。
【JICA留学生の声】
「行政による企業支援と民間企業の努力が組み合わさり、地域経済の発展につながっていることがよく分かった。」
本プログラムでは先日世界遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」を構成する資産が所在する明日香村も訪問しました。奈良県観光局から観光振興の取り組みに関する講義を受けた後、石舞台古墳、飛鳥寺、キトラ古墳、藤原宮跡などを巡り、歴史文化資源の保存と活用が地域振興や観光振興にどのようにつながっているのかを現場で学びました。
また、なら歴史芸術文化村では、文化財の保存修復や交流拠点としての役割について説明を受け、文化財保護と地域活性化を両立する奈良県の取組への理解を深めました。
【JICA留学生の声】
「文化遺産を保存するだけでなく、観光や地域振興につなげている点が非常に参考になった。」
プログラム最終日の成果発表では、行政、企業、地域が連携した産業振興や、歴史文化資源を活かした観光振興、文化財保全と地域活性化の両立などに大きな関心が寄せられ、自国での活用可能性について考察がなされました。
また、留学生からは、奈良県のさらなる発展に向けた海外への発信強化や体験型観光コンテンツの充実、人材育成を通じた持続的な産業振興などについて提案がなされました。
【奈良県産業部からの総括と修了証の贈呈】
成果発表後には、奈良県産業部から修了証が贈呈されました。
総括では、海外誘致、人材育成、事業承継をチャンスと捉える留学生の視点や、企業・観光に関する具体的な提言に対して高い評価が示されました。また、産業振興の土台として「平和」が重要であることや、今回のインターンシップを通じ世界とつながり、互いの学びを母国の発展や将来の交流につなげていきたいという期待が語られました。
今回の取組は、JICA留学生が奈良県の行政や地域づくりを学ぶ機会であると同時に、奈良県や県内企業にとっても、海外の行政官と直接意見を交わし、異なる視点や経験に触れる機会となりました。
人口減少や地域経済の活性化、文化資源の活用といった課題は、日本だけでなく世界各地が直面しています。今回のプログラムでは、それぞれの経験や知見を持ち寄ることで、新たな視点や気づきを得ることができました。
JICA関西では、今後も地域と世界をつなぐ交流の機会を通じて、地域の活性化と国際協力の双方につながる取組を進めていきます。
*JICA留学生:
JICAは「JICA開発大学院連携プログラム」を通じて、日本と途上国をつなぐ次世代の親日派・知日派リーダーとなりうる人材を戦略的にJICA留学生として受け入れています。留学生は母国の将来を担う意欲と能力を持った行政官や研究者等で、帰国後は母国の国づくりを担い活躍することが期待されています。
JICA開発大学院連携/JICAチェア | 事業について - JICA
関連リンク:
▼奈良テレビ放送 「奈良県の地方行政・産業振興 日本に留学中のアフリカの行政官が学ぶ」
TVN NEWS