エルサルバドルのシャーガス病制圧のために研究する元長期研修員(JICA留学生)からのメッセージ

名前Ms. CANDRAY MEDINA Katherine Sofia

研修コース名: SATREPS長期研修 エルサルバドル シャーガス病制圧のための統合的研究 開発プロジェクト T.cruzi ゲノム解析

研修期間:2019年11月22日から2023年6月30日まで

2023年6月30日、SATREPS長期研修員(留学生)Katherineさんは、大阪公立大学医学部大学院の博士課程を修了しエルサルバドルに帰国しました。3年7か月の日本での研究活動や日常生活の感想、そして今後の展望についてのメッセージを紹介します。

エルサルバドルのシャーバス病制圧のため日本に留学

こんにちは!私はKatherine CANDRAYと申します。JICAの Knowledge Co-Creation Program (KCCP)、知識共創プログラムの長期研修員として大阪公立大学医学部博士課程に在籍していた時の経験をお話ししたいと思います。
母国エルサルバドルでは、内科を専門とする医師として働いていますが、その中で最も興味を持った疾患のひとつがシャーガス病でした。病態生理について理解を深めるにつれ、知識のギャップに気づき、研究に興味を持つようになりました。

日本では、研究の視野を広げることに熱心な大阪公立大学の優れた専門家たちと仕事をする機会に恵まれました。生物医学の研究は、私が以前学んだ研究とはまったく異なります。他の研究者の研究プロジェクトから学び、自分の研究に反映させました。グループでの研究分野に関する科学的なディスカッションは、オープンで中立的、かつ誠実なものでした。

大阪公立大学の動物実験施設入り口。左:Katherine

日本では、研究の視野を広げることに熱心な大阪公立大学の優れた専門家たちと仕事をする機会に恵まれました。生物医学の研究は、私が以前学んだ研究とはまったく異なります。他の研究者の研究プロジェクトから学び、自分の研究に反映させました。グループでの研究分野に関する科学的なディスカッションは、オープンで中立的、かつ誠実なものでした。
技術的な知識の習得に加え、研究倫理のトレーニングも受けました。 同様に、中立的で明確、簡潔かつ効率的な方法でコミュニケーションをとることの重要性や、あらゆるプロジェクトから最大限の成果を得るための内外の協力の重要性についても学びました。
正直なところ、私に期待されていた学問的レベルに追いつくことは、日々の課題でした。私は、プロフェッショナルとしての自分自身のアイデンティティを学び直さなければなりませんでした。多国籍の研究者と流暢にコミュニケーションをとることを学ぶことは、言語を超えたものであり、忍耐力、積極性、オープンマインドを身につけるプロセスでもありました。

エルサルバドルの検体の血清学的検査

日本滞在中、そしてエルサルバドルに帰国してからも、JICAは非常に親切で協力的です。他のJICA留学生との文化交流の場を設けてくれたり、学業や私生活で生じた問題や状況を解決するためにJICA担当者に相談することができました。このようにJICA留学生をサポートしてくれるJICAには特別な魅力があります。
博士号を取得した後、私は現在、国内で新たな研究を始め、海外の研究者と協力して、個人としての能力だけでなく、国としての研究能力も強化しようとしているところです。右の写真は、シャーガス病に感染した心筋細胞の光学顕微鏡検査。

心筋細胞の光学顕微鏡検査。

JICAエルサルバドル事務所で研究成果の中間発表。

エルサルバドルでのSATREPS-CHAGASプロジェクト終了イベントで、博士課程の研究成果発表。